江戸川乱歩「猟奇の果」
あらすじ…猟奇者で退屈を持て余していた青木愛之助は、靖国神社の招魂祭で、友人の品川四郎と瓜二つの男を目撃する。
前半と後半とで作風が大きく異なる作品。なぜそうなってしまったかについては本書P598-602の「自作解説」に書いてあるのでそちらへ譲るとして、ともかくも「困った時には明智小五郎」というスタンスが感じられます。
明智小五郎とは便利な存在ですな。作品が途中でグダグダになって、物語が続かなくなってしまいそうになったら、彼を投入して解決させればとりあえずは収まりがつくのですから。
私はRPGツクール2000で作品を制作しているから少しはわかるのですが、こういうキャラクターを保持しているのは実にありがたいことです。作家にとっては財産ですぜ。嗚呼、私もこんなキャラが欲しいものだ。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼』光文社
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江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 (光文社文庫) 著者:江戸川 乱歩 |
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