コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの思い出』新潮社
ホームズの第二短編集。
ウィキペディアの「シャーロック・ホームズ」の項に、「黄色い顔」でホームズがコカインをやるという記述があったのが記憶に引っかかっていたので、本書収録の「黄いろい顔」(P51-82,原題:The Yellow Face)の該当箇所を探してみたら、ありました。
ときどきコカインこそやるが、ほかにこれぞという悪習もない。そのコカインとても、手ごたえのある事件が少しもなく、新聞にも面白いことの出ていないとき、生きていることの単調さをまぎらすため、手をだすにすぎないのだ。(P52)
しかし幸いなことに世間がこの名探偵を放っておかず、本書収録の「最後の事件」(P316-342,原題:The Final Problem)においてライヘンバッハの滝に落ちた後も、「実は生きていた」ということで復活させられているし、更には作者(ドイル)の死後も二次創作(ホームズ・パスティーシュ)で各方面に引っ張り出される始末です。私は未読ですが、ホームズが日本に来たという話もあるとか。
とてもコカインなんてやっている暇は(21世紀に入った今でも)ないんじゃないかと思えてきます。
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シャーロック・ホームズの思い出 (新潮文庫) 著者:コナン・ドイル |
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