ジュール・グラッセ『悪魔のヴァイオリン』早川書房
あらすじ…サン=ルイ島の教会の司祭が殺害される。ヴァイオリン奏者のジュリーに容疑がかけられるが、メルシエ警視は彼女の無実を信じる。
GPSや携帯電話も登場する、実に現代的な舞台なのですが、その割には科学捜査がなおざりになっているような気がします。例えば、P16でピニュールが凶器に使われた司祭のステッキについて報告しているのですが、指紋についての言及は一切ありません。
もしステッキに誰の指紋もついていないならば、犯人がステッキを拭いて指紋を消したと考えられるし、司祭の指紋しか発見されなければ犯人は手袋をはめていた可能性が高い。そして、もしも犯人のものと思しき指紋が検出されて、それを犯罪者データベースと照合していたとしたら…、おっと、これ以上はネタバレになってしまうのでやめておきます。
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悪魔のヴァイオリン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 著者:ジュール グラッセ |
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