江戸川乱歩「押絵と旅する男」
あらすじ…「私」は魚津で蜃気楼を見た帰りの汽車の中で、押絵を持った老人と出会う。彼は、その押絵の由来を語る。
手許の国語辞典(新明解)を引いてみると、
【押(し)絵】 綿を包んだ布地を、花・鳥・人物に象(カタド)り、羽子板などに張りつけたもの。
とあります。ああ、羽子板市で見かけるやつか。
さて、老人の話を要約すると、若い頃(明治28年)、彼の兄が押絵の女性(八百屋お七)に恋をしてしまい、ついには押絵の中に入り込んで一緒になってしまったとのこと。
何と、こんな時代(明治28年)に、二次元の世界に旅立った人間がいたとは…。現代の、二次元の嫁がいるオタクちゃんたちにとっては羨ましい話かもしれません。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第5巻 押絵と旅する男』光文社
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