江戸川乱歩「人間椅子」
あらすじ…美しい閨秀作家で、外務省書記官の妻である佳子は、不思議な原稿を受け取った。それは、椅子に入り込んだ男の告白だった。
最後の手紙でオチが着いていますが、その中で原稿のタイトル(表題)をわざと省いたことが書かれています。なぜ省いたのでしょうか?
原稿にタイトルを付けないことによって、これは通常タイトルの付く小説ではなく、通常タイトルの付かない手紙だと思わせる効果があります。又、佳子に対して椅子の中に人間がいるという発想を途中まで伏せておく仕掛けにもなっています。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者』光文社
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