江戸川乱歩「陰獣」
あらすじ…探偵小説家の寒川は、ふとしたことで小山田静子と出会う。寒川の小説の愛読者だった静子との間で文通が始まるが、ある時、静子から相談を受ける。昔の恋人で、今は探偵小説家の大江春泥と名乗っている平田一郎から脅迫されている、と。
本作品ではSMプレイが登場します。小山田六郎・静子夫妻のみならず、寒川と静子のSMプレイも描写されており、クライマックス(第十一章)での謎解きの場面でも寒川がムチを振るっています。
だとすると、第十一章で寒川が静子を詰問するのも、一種の(精神的な)SMプレイだと思えてきます。いわゆる言葉責めですな。
ところで、「陰獣」は寒川をフランス人小説家に置き換えた映画作品が存在しており、その予告編をネット動画でチラリと視聴したことがありますが、映画そのものは観ておりません。そのうち観ておきたいものだと思っています。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第3巻 陰獣』光文社
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