江戸川乱歩「盲獣」
盲目の殺人鬼(盲獣)が女性を次から次へと惨殺し、その死体をバラバラに切断していきます。そして作者は終盤に至ってこのようなことを述べています。
「作者はこの盲目の殺人淫楽者について、余りにも長々と語り過ぎた様である。」(P583)
さらに、
「作者も飽きた、読者諸君も恐らくは飽き果てられた事であろう。」(P584)
はい、ここまで読んできて、もうお腹いっぱいでした。いえね、鎌倉の人肉ハムを食らったわけではないのですが、怪奇趣味もここまで続くと精神的にヘトヘトになって、ついて行けませんわ。
そのため、P592-594の「触覚芸術論」をまともに読む気にはなれず、斜め読みで済ませてしまいました。
最後に一言:グロ注意。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第5巻 押絵と旅する男』光文社
【関連記事】
江戸川乱歩(目次)
« 江戸川乱歩「一寸法師」 | トップページ | 入江敦彦『怖いこわい京都』新潮社 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 町田康「桃太郎の伝説」(2023.03.19)
- 司馬遼太郎「最後の攘夷志士」(2022.10.14)
- 司馬遼太郎「浪華城焼打」(2022.10.13)
- 司馬老太郎「彰義隊胸算用」(2022.10.12)
- 司馬遼太郎「死んでも死なぬ」(2022.10.11)
コメント