江戸川乱歩「盲獣」
盲目の殺人鬼(盲獣)が女性を次から次へと惨殺し、その死体をバラバラに切断していきます。そして作者は終盤に至ってこのようなことを述べています。
「作者はこの盲目の殺人淫楽者について、余りにも長々と語り過ぎた様である。」(P583)
さらに、
「作者も飽きた、読者諸君も恐らくは飽き果てられた事であろう。」(P584)
はい、ここまで読んできて、もうお腹いっぱいでした。いえね、鎌倉の人肉ハムを食らったわけではないのですが、怪奇趣味もここまで続くと精神的にヘトヘトになって、ついて行けませんわ。
そのため、P592-594の「触覚芸術論」をまともに読む気にはなれず、斜め読みで済ませてしまいました。
最後に一言:グロ注意。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第5巻 押絵と旅する男』光文社
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