入江敦彦『怖いこわい京都』新潮社
京都にある「恐怖」を、京都出身の著者が綴るエッセイ。
清滝トンネル(P87)や南禅寺(P103)など有名どころもありますが、地元の人間にしかわからないローカルなスポットも結構取り上げられており、例えば櫟谷七野神社(P129)なんて初めて知りました。
又、「ゆっくりババァ」(P206)とか「幽霊街道」(P272)のように都市伝説っぽい話もあります。…ゆっくりババァは本書によると著者(入江敦彦)の近所に実際に住んでいたそうですが。
ところで、貴船神社(P141)について述べたくだりに、こんな一節がありました。
基本的に呪詛は手順を違えると、かけた本人に跳ね返ると相場が決まっている。みんな怖くはないのだろうか。確かに貴船神社は平安時代から丑の刻参りの本場だけれど、だからって褒められた行為ではない。みんな思い出作りかなにかと間違えているのではなかろうか。青春の記念に呪ってみました。みたいな。(P142)
それでは呪詛をかけた、もしくはこれからかけてやろうと思っている人に質問です。呪詛の正しい手順を知っていますか? 呪詛には丑の刻参り以外にも様々なものがありますが、少なくとも丑の刻参りを正しくやろうとすると、並の観光客には到底できない(衣装と道具を用意するだけでも大変だ!)。
もっとも、困難であればあるほど、それだけ呪力が強いと考えられるのですが…。
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怖いこわい京都 (新潮文庫) 著者:入江 敦彦 |
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