江戸川乱歩「芋虫」
あらすじ…時子は、戦争で両手両足、聴覚、声帯を失った夫を介護している。そして、夫と「けだもの」のように交わって暮らしていた。あんなある時、時子は夫の両目を潰してしまう。夫は「ユルス」と書き残して古井戸に身を投じる。
「自作解説」によると、
細君が『いやらしい、こんな残酷なものおよしなさい』と云った。芸妓で『あれを読んだらごはんが頂けなかった』と告白したもの二三に止まらなかった。(P705)
と、著者は述べていますが、確かにそう感じるのも無理はないエログロさがあります。最後に夫が芋虫のように這って古井戸に投身自殺するところを、時子の目の前で展開させているのもエグい。子供が読んだらトラウマになるかもしれません。
そんなわけで、心の弱い人は読まないように。
【参考文献】
『江戸川乱歩全集 第3巻 陰獣』光文社
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