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太陽(2005年、ロシア・イタリア・フランス・スイス)

監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:イッセー尾形、佐野史郎、ロバート・ドーソン、桃井かおり
備考:第13回サンクトペテルブルク映画祭グランプリ受賞

あらすじ…1945年の終戦直前・直後の昭和天皇の苦悩を描く。

 この映画のレビューで時折見かけるのが、「なぜこれが日本で作れなかったのか」という嘆き節です。もちろんそれは菊のタブーがあるからなのですが(そのために日本での公開さえ危ぶまれた)、逆にもし、日本人が昭和天皇のヒューマンドラマを描いたらどうなっていたでしょうか?
 おそらくは右翼からも左翼からも「日本人のくせに昭和天皇をこんな風に描くとはケシカラン!」と非難されていたのではないか。しかし、ロシア人が作ったのだからということでその非難は免れることができます。
 まあ、私を含めて昭和を知っている世代が全滅したら、日本でも昭和天皇をこの映画のように苦悩する人間として描けるようになるのかもしれません。それだけ昭和天皇は偉大だってことですな。

 さて、映画の内容についてですが、イッセー尾形の演技が上手い。よくここまで昭和天皇をまねすることができたものだと感心します。一方、桃井かおりは桃井かおりのままでしたが…。
「あ、そう」
 あ、そうそう、それから、最後に録音技師が自決(自殺)した話が出てくるのですが、映画が終わった後も「なぜあんなエピソードを入れたのか?」と考え続けました。
 自決した録音技師は天皇の「人間宣言」を録音していました。だとすると、彼は天皇が「人間」となることを受け容れられなかった、そして天皇が「人間」になることを受け容れられない日本人をこの録音技師に象徴させて描き出したかったのではないかと推察いたします。

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販売元:クロックワークス
発売日:2007/03/23
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