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オスカー・ワイルド『サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇』新潮社

 「サロメ」「ウィンダミア卿夫人の扇」「まじめが肝心」の3編を収録。
 今回は「サロメ」について述べさせていただきます。

 「サロメ」では「見る」が頻出します。若いシリア人やヘロデはサロメを見てばかりいるし、ヘロデヤの小姓とヘロデヤはサロメを見るなと言う。又、ヨカナーンはサロメに見られたくないと言って牢に戻る。
 上述の関係を図にしてみると、以下のようになります。

Salome

 「見るなと言う」ということは、相手の視線がどこに向かっているのかがわかっているということであり、そのためには相手を見る必要がある。即ち、ヘロデヤの小姓もヘロデヤも「見る」という行為をしているのです。しかも、見るなと繰り返していることから、対象の人物をそれだけ見ていることになります。
 又、これら「見る」行為はいずれも一方通行であり、逆方向・双方向はありません。片思いってやつですな。

 【参考文献】
オスカー・ワイルド『サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇』新潮社

【関連記事】
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