柘植久慶『核の迷路』集英社
ロシアから流出したウランがテロリストの手に渡るのを阻止するため、元グリーンベレー大尉の蜂田迅が活躍する…というのが本書のあらすじ。
ソ連崩壊後の混乱したロシアでは、核物質などが流出するのではとの危惧があったと記憶しておりますが、さてその流出先となると…本書に登場するウランの買い手は北朝鮮と日本のカルト教団ですか。
まあ、北朝鮮は妥当ですな。当時から核開発疑惑があったことですし(というより、今では開発に成功している)。
一方、日本のカルト教団ですが、名前こそ変えているもののオウム真理教がモデルになっているのは明白。とはいえ、もしもこの教団がウランを入手したとしても、サティアンで核兵器なんか作れるかなあ…。あ、でも、爆弾でウランを撒き散らすだけでも周辺は放射能に汚染されるから、地下鉄サリン事件のようなテロには使えるでしょう。
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