ローズマリー・ティンパリー他『新・幻想と怪奇』早川書房(3)
アンソニイ・バウチャー「ジェリー・マロイの供述」(P81-89)
あらすじ:ジェリー・マロイの相棒でお笑い芸人のユージン・デイキンが、その妻ステラを殺した経緯を、マロイが刑事に語る。
読んでいる途中でジェリー・マロイが何か変だな、おかしいなと思っていたら、マロイの正体は○○○○○でしたか(※本作の肝心な部分のネタバレになるので伏字とさせていただきます)。
それにしても、殺害実行犯のユージン(ジーン)ではなくマロイの口から事件の模様を語らせているということは、ジーンはまともに供述できないほど精神が崩壊しているのでしょうか。そういえば「警察の精神科医」(P83)も登場していますし。
アラン・ナース「虎の尾」(P91-101)
あらすじ:アルミニウムばかり呑み込むハンドバッグが発見され、研究所に送られる。研究所ではどうにかしてバッグを裏返そうとするのだが…。
P92の解説によると本作は「日米のSFファンの間では有名な作品である」とのこと。…まあ、SFファンと称するには程遠い私には未知との遭遇でしたが。
それはさておき、本作は謎解きも結末も述べられないまま終わっています。結局どうなったんだ? と、読者に想像させるように仕向けていますな。
フィリップ・ホセ・ファーマー「切り裂きジャックはわたしの父」(P103-111)
あらすじ:切り裂きジャックの子だと名乗る男が、自らの出生の由来を語る。
切り裂きジャックはイギリスに実在した殺人鬼で、本作はそれを題材にしています。
レイプ描写に注意。
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新・幻想と怪奇 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1824) 著者:ローズマリー・ティンパリー他 |
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