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モフセン・マフマルバフ『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』現代企画室

 著者はイラン人の映画監督兼作家で、代表作は映画「カンダハール」(2001年ユネスコ《フェデリコ・フェリーニ》メダル受賞)。
 内戦や飢饉でアフガン人がバタバタ死んでゆくのに対して、国際社会が無関心であることをバーミヤンの石仏を使って非難しています。

 ついに私は、仏像は、誰が破壊したのでもないという結論に達した。仏像は、恥辱のために崩れ落ちたのだ。アフガニスタンの虐げられた人びとに対し世界がここまで無関心であることを恥じ、自らの偉大さなど何の足しにもならないと知って砕けたのだ。(P27)

 しかしながら、この後911テロが起こって否が応でも国際社会はアフガニスタンに注目しなければならなくなったのは皆さんご承知の通り(※原書は911テロ前に発行。日本語訳は911テロ後に発行)。まだこれからも、アメリカ軍の撤退をめぐって注目される要素はありますが、その先はどうかというと…。
 やはり、アフガニスタンには著者(モフセン・マフマルバフ氏)のような発信力のある人間がもっと必要ですな。

アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ Book アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ

著者:モフセン マフマルバフ
販売元:現代企画室
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