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内田洋子『ジャーナリズムとしてのパパラッチ』光文社

 リーノ・バリラッーリ(Rino Barillari)、アドリアーノ・バルトローニ(Adriano Bartoloni)、アレッサンドロ・フォッジャ(Alessandro Foggia)、アントニオ・モッタ(Antonio Motta)、マッシモ・セスティーニ(Massimo Sestini)といったパパラッチ(※)のインタビューが載っているのですが、その「武勇伝」が面白い。
 フランク・シナトラにボコボコにされたり(P61)、厳重な警備をかいくぐってローマ法王ヨハネ・パウロ2世の水泳シーンを撮影したり(P80)、ロバート・デニーロとカーチェイスしたり(P95)、修復スタッフに化けて礼拝堂に潜入したり(P129)、…。撮られる方にはたまったものではないのでしょうが、傍から見ている分には、秘密のヴェールに隠されているところをちょっと覗き見している感じがして楽しいですな。
 え? ダイアナ元皇太子妃が死んでいるのに不謹慎だって?
 ちなみに本書でもこの件は取り上げられていて、リーノ・バリッラーリは「ダイアナ元妃事故死の真実」(P69)の中で、パパラッチの一人として弁明しています。

 僕たちパパラッチは、ハイエナ集団ではない。れっきとしたジャーナリストだ。公の場だけでなく、皆が見たい、と思うような著名人のオフタイムを撮ることが任務なのだ。
 僕たちは<写真界の過激派>ではない。有名人の失態を待ち構えて個人の汚点を写真に撮ろうとしているのではなく、起こったことをそのまま事実として記録するために写しているのだ。
(P70-71)

【参考文献】
内田洋子『ジャーナリズムとしてのパパラッチ』光文社

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