火坂雅志編『実伝 直江兼続』角川書店
昨年のNHK大河ドラマ「天地人」の便乗本かなと思って奥付を見たら、発行はドラマ放送直前の平成二十年十二月二十五日とありました。ああ、やっぱり便乗本か。
しかし、本書はただの便乗本ではありません。編者が「天地人」の原作者だということです。
しかも、坂口安吾の評論(P83)や海音寺潮五郎の対談(P115)といった古いものも収録されているし、付録には『名将言行録』(P221,岡谷繁実著)の直江兼続の部分が載っています。
坂口安吾の評論「無邪気で素直なハリキリ将軍」(P83)では辻参謀(辻政信)の話から直江兼続へと移って行くのは新鮮に感じられたし(私の頭の中ではこの二人は全く結びつかなかった)、『名将言行録』はどこまでが史実でどこまでが後世の創作かを考えながら読み進める楽しみがありました。
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