川口素生『戦国「闇」の歴史―影武者・不死伝説―』宝島社
戦国時代から江戸時代初期にかけての、影武者や不死伝説を取り上げたもの。
不死伝説とは、正史では死んだことになっているが、実は逃れてどこかで生き延びていた、というもの。本書でも取り上げられていますが、豊臣秀頼が大坂城を脱出して薩摩にかくまわれた(P194)といった類のハナシがそれです。あ、明智光秀=天海説(P150)もそうか。
そういえば戦国時代ではありませんが、長髓彦や源義経にも不死伝説がありましたっけ。
尚、これらの不死伝説には信憑性に問題がある場合が多く(例:確たる証拠がない、根拠が強引なこじつけ、年代的に矛盾する)、本書でも論考の末に「明智光秀=天海説――つまり光秀が天海に化けた――という説は、成り立たないといえよう」(P154)と否定しています。ちなみに論考の内容については長くなるので省略。興味のある人はお読み下さい。
![]() |
![]() |
戦国「闇」の歴史―影武者・不死伝説 (宝島SUGOI文庫 D か 6-1) 著者:川口 素生 |
« 世界博学倶楽部『世界迷宮入り事件ファイル』PHP | トップページ | 伊藤博敏『鳩山一族 誰も書かなかったその内幕』彩図社 »
「書評(歴史)」カテゴリの記事
- 尚泉水の碑(麹町豊受稲荷神社)(2023.06.02)
- そよ風の像(半蔵門駅6番出口付近)(2023.06.01)
- 清水瀞庵翁紀功碑(植竹稲荷神社)(2023.05.31)
- 漫画会館の記の碑(さいたま市立漫画会館)(2023.05.30)
- 天皇陛下御在位六十年・社殿修復竣工記念碑(小動神社)(2023.05.28)
« 世界博学倶楽部『世界迷宮入り事件ファイル』PHP | トップページ | 伊藤博敏『鳩山一族 誰も書かなかったその内幕』彩図社 »
コメント