佐藤賢一『英仏百年戦争』集英社
百年戦争というのは、イギリスとフランスが100年もかけて行なった戦争ではない、というのが本書の視点です。
本書は百年戦争前史(ノルマン・コンクェスト、アンジュー帝国成立)から書き起こして、百年戦争は「百年も昔から繰り広げられてきた抗争の、延長線上に位置づけられるものだった」(P187)と述べています。しかしコトはそう単純ではなく(抗争の中身は複雑ですが)、戦争の過程でイギリス・フランス共に国民国家の概念が登場してきます。
そういえば国民国家の概念は近代のものでしたっけ。だとすればイギリスとフランスは百年戦争の中で中世から近代へ「移行」したことになりますな。
英仏百年戦争 (集英社新書) 著者:佐藤 賢一 |
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