塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界(上)』新潮社
西ローマ帝国滅亡後の地中海世界を描いたもの。地中海を中心にしてヨーロッパ(主にイタリア)とイスラム(サラセン)との攻防がつづられています。
それにしてもサラセンの海賊によるキリスト教徒の拉致が中世からずーっと続いてきたというのには驚きました。本書によれば地中海から海賊が消えたのは、「西暦一八三〇年に、フランスがアルジェリアを植民地にしてから」(P303)だそうです。
わが国でも北朝鮮による拉致問題があるのは皆さんご承知の通りですが、サラセンの海賊が経済活動(拉致して奴隷としてこき使う、身代金を取る)であったのに対して、北朝鮮はスパイ活動の一環としてやってきた点に違いがあります。
しかし、国の対応の鈍さという点では共通していますな。
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ローマ亡き後の地中海世界(上) 著者:塩野七生 |
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