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宮田律『ドバイの憂鬱』PHP

 バブル崩壊後のドバイ及び湾岸諸国(サウジアラビアやカタールなど)の状況を述べたもの。
 本書を読んでいて、「つまらないな~」と思いました。どうしてつまらないのかと思って文章をよくよく読んでみると、冒頭の「まえがき」以外に著者の体験を語った部分は見当たらず、経済アナリストのレポートのように淡々とデータと分析を書き連ねているだけだというのを発見しました。
 「まえがき」によると著者はドバイに行ってドバイ商工会議所のスポークスマン(P10)などに会ったりしているのに、まえがき以外の本章ではそういった「ドバイ体験」とリンクさせて語ることをしていません。これはあくまで私の勝手な推測ですが、まえがきと本章を書いたのは別々の人物じゃないか…。そんな印象を受けました。

 とはいえ、例えば下記の引用文のように具体的な数値が豊富に盛り込まれているので、資料的価値はあるのではないかと思います。

 現在、ドバイの不動産市場は混乱のなかにあるといってよい。融資の減少、また投資家の否定的ムードによって、不動産契約は一挙に落ち込んでいった。ドバイ土地省によれば、二〇〇八年一二月には一三六件の土地売買しか行われなかった。これは、前年一二月の三六一件と比較すれば著しい落ち込み方で、六二%も下がったことになる。(P32)

 又、バブル崩壊前のドバイを描いた、福田一郎『ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか』と読み比べてみるのもいいかもしれません。

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