アドルフ・ヒトラー『わが闘争(上)』角川書店(4)
本書の「第七章 革命」では、第一次世界大戦中にドイツで革命が起こり、ドイツの敗北が決まった時のことを述べています。
本章ではヒトラーは敗北を嘆いており、文章も感情的・激情的なものとなっています。前章(第六章 戦時宣伝)や前々章(第五章 世界大戦)の分析にあふれた考察とは対照的だと言ってよいかもしれません。
かくしてすべてはムダであった。あらゆる犠牲も、あらゆる労苦もムダだった。はてしなく幾月も続いた飢えもかわきもムダだった。しかもわれわれが死の不安に怖れながらも、なおわれわれの義務をはたしたあの時々もムダだった。その時倒れた二百万の死もムダだった。(P266)
いや、ムダだムダだと言っていますが、全てがムダだったわけではありますまい。というのは、敗北したドイツに、アドルフ・ヒトラーという「怪物」が遺されたのですから。それがドイツ国民および全世界にとって幸か不幸かはともかくとして…。
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