岡田英男『オーパーツだけが知っている… 神々の記憶 超古代を襲った核戦争の痕跡』KKベストセラーズ
タイトルから察するに、ベストセラーになった『神々の指紋』(著:グラハム・ハンコック)の便乗本と思われます。
さて、本書の内容を簡単に説明すると、超古代にはすぐれた文明が栄えていたものの、核戦争(それも世界各地で勃発!)によって滅亡したと述べています。
世界各地の神話や遺跡、発掘品(オーパーツを含む)から核戦争の痕跡を探り出そうとしているのですが、色々と突っ込みどころがありすぎて困る有様となっています。
例えば日本神話に関して、こんな一節があります。
黄泉の国というと、死者がたどりつく国であり、天国の代名詞、極楽を意味している。日本の神話でも、理想郷として地下の王国という考え方があったのは明らかだろう。(P203)
黄泉の国は天国でも極楽でもなく、ましてや理想郷でもありません。なぜなら、黄泉の国へ逝ったイザナミには蛆がたかっていて、それを見たイザナキは一目散に逃げ出し、古事記によると「吾はいな醜(しこ)め醜めき穢き国に到りてありけり」(現代語訳:私はとても厭な厭な穢い国に行ったことだった)と言ってるくらいですから。
これはほんの一例で、他にもまだまだありますが省略。神話や古代遺跡の知識のある人は、本書をトンデモ本としてツッコミを入れながら読むといいでしょう。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4584305161/nifty0b5-nif1-22/ref=nosim
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