大澤武男『青年ヒトラー』平凡社
ヒトラーがなぜ狂気の独裁者となったのかを、ヒトラーの青年時代から探り出そうというもの。
青年期のヒトラーについては、『わが闘争』を読むことで、『青年ヒトラー』の第2章で描かれる「失意のウィーン時代」はある程度知っていましたが、「初恋のシュテファニー」(P44)などは初めて知りました。まあ、政治書には自分の生い立ちを書くことはあっても、自らの恋愛体験までは書きませんからね(山崎拓氏なら自慢げに書くかもしれない)。
さて、アドルフの政治活動開始時点で明らかにされた反ユダヤ思想は、ちょっと冷静に考察すれば、いかに事実と客観性に欠けているかは誰にでもわかる。(P203)
はい、私も『わが闘争』をちょっとばかり読んでみて、そのことはわかりました。詳細は『わが闘争』のレビューに譲ることにしますが、ナチズムの反ユダヤ思想が「事実と客観性に欠けている」点は、読むのが難しい『わが闘争』を読み進める上での一つの突っ込みどころとなっています。
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青年ヒトラー (平凡社新書) 著者:大澤 武男 |
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