福田一郎『ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか』青春出版社
著者はドバイ在住の財界人(コンサルティング業)で、2008年5月15日発行。内容は簡単に言ってしまえば「ドバイがいかに素晴らしいか」を述べたものです。
本書はリーマン・ショック(2008年9月)やドバイ・ショック(2009年11月)の前に書かれており、ここに描かれているドバイはバブルがはじける前のバブリーなドバイです。その点を踏まえて読んだ方がいいでしょう。
又、著者が好意的に評価しているドバイの特徴も、うまく行っているときはいいかもしれないが、デメリットも当然あるはずだし、裏目に出ることもあるでしょう。例えば、
日本ではいくら政治に興味がなくても、政権交代や各種選挙の結果などが個人の生活に何らかの影響を与える可能性があり、政治と完全に無縁な社会生活を送ることは不可能である。海外に住んでいても、当該国の政治に影響される部分は多少なりともある。
その点ドバイは(いい意味で)シェイク(首長)による独裁であるため、政治などの難しい部分はシェイクに任せておき、庶民は自分たちの生活やビジネスに専念すればいい。(P83)
世襲の独裁者が安定した名君ならばともかく、凡庸であったり暗愚であったり暴虐であったとしたら…? あるいは独裁者の席を巡ってお家騒動が起こったら…?
民主主義体制なら、問題のあるリーダーは選挙で引き摺り下ろすことが出来ますが、ドバイにはそういう歯止めがないようです。
![]() |
![]() |
ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか (青春新書INTELLIGENCE) 著者:福田 一郎 |
« インビクタス/負けざる者たち(2009年、アメリカ) | トップページ | 戸棚からDVDを発掘 »
「書評(経済)」カテゴリの記事
- 牧田幸裕『ラーメン二郎に学ぶ経済学』東洋経済新報社(2019.05.08)
- 日高義樹『2020年 石油超大国になるアメリカ――追い詰められる中国 決断を迫られる日本』ダイヤモンド社(2019.05.06)
- 苫米地英人『カジノは日本を救うのか?』サイゾー(2018.11.06)
- 『日本貨幣カタログ2017』日本貨幣商協同組合(2018.11.05)
- 大竹慎一『ウォール街からの警告 トランプ大恐慌』李白社(2018.11.04)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 福田一郎『ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか』青春出版社:
» 離婚の悩みを渋川良幸が解決 [離婚カウンセラー・渋川良幸の離婚問題解決法]
渋川よしゆきの「15,000人の離婚問題解決法」は無駄な費用も時間もかからずスピーディーな離婚が可能です。しかも自分で思っている条件で離婚できます。弁護士に依頼するのは最後の最後、まずは自分でやってみましょう。 [続きを読む]
コメント