入江敦彦『ゲイ・マネーが英国経済を支える!?』洋泉社
イギリスではゲイの使うお金(ピンクポンド)が英国経済を支えるくらいに巨大な存在になっている、というのが本書の要旨。
・2006年時点で、ピンクポンドは年間700億ポンド(約18兆円)を超えた。(P18)
・ゲイの収入はイギリス人平均より高い。(P21)
・ゲイは貯蓄や財テクより消費に回す。(P21)
・イギリスでゲイは社会的に認知されている。(例えばP94では、著者が男性と「シヴィル婚」を挙げた時の写真が掲載されている)
ウホッ、いい経済…。
本書では具体的な数字を挙げていますが、数字に強い人間ならピンクポンドがどれほどのものかよくわかるのではないでしょうか。
それはさておき、本書では、ゲイならではの表現・視点が綴られています。
例えば「大竹海岸」と書いて「ハッテンバ」とルビを振ったり(P22)、『ハリー・ポッター』のダンブルドア校長がホモ(J.K.ローリングが明かした裏設定とのこと)だったり(P175)、シェイクスピアが「こっち寄りの人」(P178)だったりと、そっちの世界をあまり知らない人間には新鮮でした。
まあ、それだけ私が同性愛者に対して、さしたる理解がないことを示している次第なのですが、ピンクパワーの強大さの一端を知ってしまった以上は、こちらとしてもある程度はチェックしておかないといけないのかもしれません。ただし、念のために言っておくと、ヘテロ(異性愛者)であることは堅持したままですが。
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ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y) 著者:入江 敦彦 |
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