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橘玲『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』幻冬社

 金融情報小説『マネーロンダリング』の著者が、実際に起こった事件(カシオ詐欺事件、ライブドア事件、北朝鮮の偽札、アルカイダのブラッドダイヤモンドなど)を取り上げてマネーロンダリング(資金洗浄)を解説したもの。
 ちなみに第五章では「誰でもできるマネロン」と題してハンドキャリーや国際租税回避などの、我々一般人にもできる(かもしれない)マネーロンダリングの手口を紹介しています。
 とはいえ、カタギの衆は生半可な気持ちで手を出さない方がいいでしょう。本書を読んでいて、それなりに危険な香りがしますから。
 ちなみに、私はマネーロンダリングなんてやりませんよ。理由は簡単。ロンダリングするだけのマネーを持っていないし、根性も持ち合わせていないからです。

マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書) Book マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)

著者:橘 玲
販売元:幻冬舎
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アントニー・ビーヴァー著、堀たほ子訳『スターリングラード 運命の攻囲戦』朝日新聞社

 イギリスの小説家、アントニー・ビーヴァーが書いた、戦争ノンフィクション大作。1941年にドイツ軍がソ連領内に電撃的に進行したバルバロッサ作戦に始まり、スターリングラード市街での消耗戦、ソ連が反撃に転じたウラノス作戦とサターン作戦、そしてドイツ第六軍の降伏と捕虜たちのその後を描く。
 この本は500ページを超える長編となっており、しかも兵士らが次々に死んでゆく凄惨な話が次から次へと出てくるので、正直言って読むのはしんどいです。
 ソ連もドイツも、何と人命を軽視していることか! ソ連は自軍の兵士を処刑し、ドイツは包囲された自軍の兵士を見殺しにしています。
 ところで、本書ではソ連の機密文書(ソヴィエト崩壊に伴って公開された)から名も無き兵士の手紙にいたるまで、様々な資料を縦横無尽に引用しており、よくもまあこれほど膨大な資料を用いたものだと恐れ入ってしまいます(※)。
 それにしても、読み終えた後になって思うのですが、独ソ両国にとってスターリングラードは果たして、あれほどの犠牲を払ってまで執着する価値があったのでしょうか? スターリンもヒトラーも意地でも「あった」と言うでしょうが…。

 スターリングラード 運命の攻囲戦1942-1943 スターリングラード 運命の攻囲戦1942-1943
販売元:TSUTAYA online
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※資料を集めてレポートや論文などを書いた経験の持ち主ならわかると思いますが、自分が読み漁った資料すべてを引用するとは限りません。つまり、著者は本書に引用したものより多くの資料を読んでいるはずです。

樹海の最強霊媒師(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。

出演:仁王頭山野長(におうずさんのちょう)

 スピリチュアルカウンセラーの仁王頭山野長が、自殺の名所として有名な樹海にやってきていろいろと解説したり除霊したりしています。
 この人が「最強霊媒師」なのか私にはわかりかねますが(どうやって最強を決めるのか不明)、まあおそらく、誰かが勝手にそう言っただけなのでしょう。
 それにしても、片方だけの靴や人形が落ちていたりと、場所が場所だけに怖い感じがしますな。いい雰囲気出してます。
 ちなみに、動画の最後に収録された仁王頭山野長の言葉は、悩みを抱えた生者(樹海に来るかもしれない人たち)に向けて語られており、ここはカウンセラーの面目躍如といったところでしょうか。

【樹海関連記事】
思わず青木ヶ原樹海に行きたくなる動画
日本の自殺の森
青木ヶ原の樹海を撮影

池田元博『プーチン』新潮社

 この新書の初版発行が2004年2月20日ですから、ここで描写されているプーチンは生い立ちから大統領一期目までとなっています。
 又、プーチンが活躍する前の、ゴルバチョフ時代のペレストロイカやエリツィン時代のガイダル改革や、オリガルヒ(寡占資本家)などの「周辺部分」も扱っています。
 で、本書によるとプーチンの統治の特徴は…

(1)柔らかな独裁
 三大ネットを管理下に置いてメディアを支配し、各連邦管区に大統領全権代表を置いて地方への監視を強化した。

(2)実利外交
 「かつてのイデオロギー政策のかけらもな」く、「今のロシアの置かれた現状を踏まえて、ロシアの国益に合致する外交を積極的に展開していく」(いずれもP162)。

 柔らかな独裁ですか…。スターリンの「硬い」独裁と比較してみれば、言い得て妙であるかもしれませんな。

プーチン (新潮新書) Book プーチン (新潮新書)

著者:池田 元博
販売元:新潮社
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販促ノベルティ卸売りセンター

 今回紹介するのは、ノベルティグッズの卸売り問屋「販促ノベルティ卸売りセンター」です。カレンダーやタンブラー、クリアファイルなど様々なノベルティグッズを取り扱っています。

 私もノベルティグッズを幾つか持っておりますが、重宝しているのはメモ帳です(正直言って、これは貰って嬉しいものです)。メモ帳があると、外出中でも自宅に居る時でも、思い付いたことをちょっと書いておくことにしています。つまりそれだけ私の物忘れが激しいということなのですが…。ともかく、これでうっかり忘れることが少なくなりました。

 ちなみに、「販促ノベルティ卸売りセンター」サイトのPrice Categoryでは「50円以下のばらまきノベルティ」や「3,000円以上のノベルティグッズ」などといった分類があります。これをチェックしてみると、自分が持っているノベルティグッズのおおよその値段がわかるかもしれません。

アットゲームズファン感謝DAY セルフィハロウィンパーティ

 10月25日(日)、品川インターシティにて開催された「アットゲームズファン感謝DAY セルフィハロウィンパーティ」なるイベントに参加してきました。
 私がアットゲームズというオンラインゲームで遊んでいたことから、このイベントに参加することになりました。

アットゲームズファン感謝DAY セルフィハロウィンパーティ

 このイベントでは、リアルガチャ(1回200円)とリアルセルフィッシング(1回500円)という有料ゲームがあり、私は記念に1回ずつプレイしてみました。
 リアルガチャでは「イベント限定ハロウィンペロペロキャンディオレンジ」を、リアルセルフィッシングでは「イベント限定パンプキンウィッチスタイルBブラック」を入手(いずれも、アットゲームズ内でアバターが装着できるアイテムです)。
 ちなみに、私は合計700円を使いましたが、中には1万円以上使っている猛者もいました。そこまで使うのは、おそらくイベント限定アイテムをコンプする(全部そろえる)ためなのでしょう。

 又、これ以外にも、開発者が裏話を語ってくれたり、アットゲームズのキャラクターのラフ画や没キャラ、セルピット擬人化のイラスト、ココロの三面図などを見せてくれました。

ないはずの指(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。

出演:姫宮みちり

 タレントの姫宮みちりが心霊写真(ブログ用の写メ)を披露する。そこには6本目の指が写っていたのだ!
 そこにないはずの指や腕、足が写っていたという写真は、心霊写真では定番のジャンルですので、これ事態は特段珍しいものだとは思いません。寧ろ、撮影者(この場合は姫宮みちり)が顔と名前を出して撮影時の状況を語ってくれるほうが珍しい。

【落書き】落書き

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【落書き】目出し

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骨つぼ(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。
 差出人不明の投稿動画とのこと。男が息を荒くしながら広い建物の中を動き回り(逃げ回っている?)、ついには骨壷だらけの部屋に到達するというもの。
 これはあくまで私の推測ですが、撮影場所は大きな寺ではないのでしょうか。それなら、あれだけの骨壷があっても不自然ではないと思うからです。
 それはさておき、この動画では男のハァハァ音が最初から最後まで聞こえており、男のハァハァ音が好きな方(?)にはそそるものがあるのではないでしょうか。

亀井静香 郵政・金融担当相「もうひとつの」記者会見

 本日、ニコニコ動画で亀井静香郵政・金融担当大臣の記者会見の生中継を観ました。
亀井静香
 記者クラブとの会見とは別に、記者クラブに所属していないメディア・フリージャーナリストとの会見を別個に開いたものです。そういえばこの記者会見にはウォールストリートジャーナルの美人記者(アリソン女史)も来ていたそうな。
 尚、生中継ということで音声が途中で途切れたり、大臣の手がマイクに当たってボコッという音がそのまま流れたりというアクシデントがそのまま視聴できました。又、亀井大臣の黄色いネクタイが曲がっていたのも突っ込みどころです。

 ところで、会見の内容について少々。
 外国人参政権については慎重な言い回しに終始していました。いつもの歯切れのよさはちょっと奥に引っ込んだ感じです。まあ、それなりに配慮しないといけないんでしょう。

入江敦彦『ゲイ・マネーが英国経済を支える!?』洋泉社

 イギリスではゲイの使うお金(ピンクポンド)が英国経済を支えるくらいに巨大な存在になっている、というのが本書の要旨。

・2006年時点で、ピンクポンドは年間700億ポンド(約18兆円)を超えた。(P18)
・ゲイの収入はイギリス人平均より高い。(P21)
・ゲイは貯蓄や財テクより消費に回す。(P21)
・イギリスでゲイは社会的に認知されている。(例えばP94では、著者が男性と「シヴィル婚」を挙げた時の写真が掲載されている)

 ウホッ、いい経済…。
 本書では具体的な数字を挙げていますが、数字に強い人間ならピンクポンドがどれほどのものかよくわかるのではないでしょうか。

 それはさておき、本書では、ゲイならではの表現・視点が綴られています。
 例えば「大竹海岸」と書いて「ハッテンバ」とルビを振ったり(P22)、『ハリー・ポッター』のダンブルドア校長がホモ(J.K.ローリングが明かした裏設定とのこと)だったり(P175)、シェイクスピアが「こっち寄りの人」(P178)だったりと、そっちの世界をあまり知らない人間には新鮮でした。
 まあ、それだけ私が同性愛者に対して、さしたる理解がないことを示している次第なのですが、ピンクパワーの強大さの一端を知ってしまった以上は、こちらとしてもある程度はチェックしておかないといけないのかもしれません。ただし、念のために言っておくと、ヘテロ(異性愛者)であることは堅持したままですが。

ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y) Book ゲイ・マネーが英国経済を支える!? (新書y)

著者:入江 敦彦
販売元:洋泉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

【落書き】エサ

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【映画 コメディ】コメディ映画と言えば

 私はこのブログ「泉獺のどうでも映画批評」で映画のレビュー記事を書いているのですが、このブログを書き始める前に観たコメディ映画で印象に残っているものを一つ取り上げます。
 それは、「チーム・アメリカ ワールド・ポリス」です。「サウス・パーク」のトレイ・パーカーとマット・ストーンが製作したR18作品ということで、
「こいつは見逃せないな…(※色々な意味で)」
 ということで公開初日に池袋の映画館に行った記憶があります。
 で、映画を観た感想は、
「ここまでやっていいものなのか…」
 というものでした。ハリウッドスターや独裁者など実在の人物が登場しては無惨な死に方をしていたからです。

 その方面のスパイスの利いた映画 コメディを味わいたい方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

著作権情報誌『くれあとーれ No.17 Sep2009』

 発行は社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)。
 Dr.サーブの著作権入門(P7-8)、特集~私的録画補償金制度の成り立ちについて~(P9-10)、第十七回【著作権Q&A】これってどーなの?(P11)、著作権クイズ(P12)と、著作権について啓蒙する気満々の記事が目白押しとなっています。
 しかしそれだけではなく、檀ふみ×天童荒太の対談(P1-4)や『ROOKIES』のロケ地(P5-6)、八田亜矢子のコラム(P13)といった記事もあります。まあ、私は天童荒太の小説も読んでいないし、『ROOKIES』のドラマもテレビも観ていないし(CMだけは散々見た気がする)、おまけに八田亜矢子も存じ上げていないので何とも言えませんが…。

http://www.sarvh.or.jp

Creatore

加藤廣『信長の棺』日本経済新聞社

 本能寺の変で死んだ織田信長。信長の死体は発見されなかった。
 信長に仕えていた太田牛一は、信長の伝記を執筆し続けながら、信長の死体の行方を捜し求める…。

 本能寺の変については、黒幕は誰であるかなど謎が多く、それゆえに数多くの歴史家および歴史小説家によって様々に推理されています。
 で、本書で描かれる黒幕は…おっと、ネタバレになってしまうから伏せておきますが、割と有名な説を採用していますな。
 とはいえ、本書で最後まで追い求められるのは信長の遺骸です。黒幕については中盤にわかるものの、こっちの方はなかなかわからず、ページをめくっていて、
「残りはこの文量だけど、大丈夫だろうか?」
 と、ちょっとばかり心配してしまいました。しかし清如(権兵衛)の語りによって怒涛の勢いで真相が明らかになるとは…。正直、この急展開ぶりには頭がクラクラしましたぞ。

信長の棺 Book 信長の棺

著者:加藤 廣
販売元:日本経済新聞社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

廃墟学校(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。

出演:高見沢ちぃ、ひめのみさ

 秋葉系アイドルユニット「ごぉすと♀しすたぁ~ず」の高見沢ちぃとひめのみさの二人が静岡の廃校に潜入するというもの。
 夜間に校舎内を探検するのですが、照明が不充分なためか、暗くてわかりにくいところがありました。しかし、その見えにくい中から「死ね」の文字が出てくるというのは味がありますな。
 また、写真に写った二人の表情が本気で怯えているのを見て取ることができます。これはこれでなかなか…。
 ともかくも、お疲れ様でした。

【麻生内閣】ClubLDP【LOVEドッきゅん】(2009年、日本)

 この動画は、ニコニコ動画で観ました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8506505

 麻生内閣が終わってから1ヶ月以上も経ってからこんなハイテンポな動画がアップロードされる(投稿日:10月13日)とは…。この動画に書き込まれたコメントなどを読むと、ニコニコ動画内での根強い麻生人気を感じます。
 とはいえ、リアルワールドでは自民党は大敗しており、この動画内に出てくるセンセイ方の中には落選しちゃった人たちも含まれています。
 この両者のギャップは一体何なのでしょうか? 私にはちょっと分析しかねます。

ダノンビオ 紫の野菜

 秋の夜長の就寝前、ヨーグルトの「ダノンビオ 紫の野菜」を食べてみました。
ダノンビオ 紫の野菜
 フタを取って中味をチェックしてみると、中味はペースト状のもので、薄い赤紫色をしています。果肉(ぶどう、ブラックベリー、ラズベリー)の色でしょうか。
 スプーンですくってみると、黒っぽい小さな粒が一つ、目に付きました。パッケージの説明文によると、「黒い小さな粒が見られる場合がありますが、果実の一部ですので品質には変わりありません」とのこと。個人的には、果実が完全に砕かれているよりは、このように多少なりとも果実の一部が残っている方がいいと思います。
 口に含んでみると、酸味が感じられますが、きついという程ではありませんでした。

おいしさを実感 ダノンビオ 野菜&フルーツシリーズ

試作型 Windows777攻略(2009年、日本)

 この動画は、ニコニコ動画で観ました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8482514

 Windows7発売に便乗してWindows777を開発。それを実況付きで解説したもの。
 フリーのプログラミング言語「HSP(Hot Soup Processor)」で作っているのが丸わかりであったり(随分昔、私も少しばかりHSPをやったことがあります)、電卓機能がすごいことになっていたりと、色々とネタが仕込まれております。
 おまけに、実況が普通に上手です。

【落書き】熱いぜ

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武村政春『妖怪を科学する!』メディアファクトリー

 妖怪によって引き起こされたとされる現象を科学的に解明しようとしたのは井上円了ですが、本書では分子生物学者の武村政春博士が妖怪に対してそれとは異なったアプローチをしています。すなわち、妖怪が存在すると仮定して、もしそうならば体の構造はどうなっているのかを生物学的に考察しています。
 学者らしく、江戸時代の文献をしっかりと引用していたり、学術的な専門用語(脚注で解説を付している)が頻繁に出てきたりといった特徴があり、まじめな作りとなっているのがわかります。
 それにしても、カッパが頭の皿で光合成を行っていた(P32)とは思いもよりませんでした。学者のまじめな考察とそこから導き出される推論がこんな風になってしまうとは面白い。

妖怪を科学する!(ナレッジエンタ読本21) Book 妖怪を科学する!(ナレッジエンタ読本21)

著者:武村政春
販売元:メディアファクトリー
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京極夏彦『幽談』メディアファクトリー

 京極夏彦の怪奇な短編小説8篇を収録したものです。タイトルの中に「談」とあるように、どの作品も一人称語りで「幽」なるモノを述べています。
 各作品のあらすじは以下の通り。

「手首を拾う」
 男は侘びしい岬の旅館に泊まる。7年前、その宿の庭で手首を拾ったのだが、今度もまた、拾う。

「ともだち」
 男は30年前に住んでいた所へやってくる。そしてそこで、友達の森田君を見つけるが、「こんなものを眺めていたって仕方がない」と思い、立ち去る。森田君は、既に死んでいたからだ。

「下の人」
 マンションに一人住まいのOL。彼女のベッドの下に、なぜか人のようなものが居た。両者の奇妙な共同生活が、始まる。

「成人」
 小学生(A君)の作文、高校生(A君の友人)の作文、編集者(B君)の体験談、一人のライターが上げてきた怪談を通じて、A君一家に潜む奇怪な秘密が少しずつ浮き彫りになってくる。

「逃げよう」
 小学6年生の頃に、「変なもの」に追いかけられ、「ばあちゃん」の家に駆け込んだ体験を語った。だが、話し相手の山下の指摘により、その思い出のおかしな点が次々と出てくる。

「十万年」
 鏡に映る像が正しくて、自分が裏返しの存在だと思った「僕」と、中学の時「霊が視える」と言った美紗。二人は大学生の時に再会した。ある夜、公園のベンチに座って語り合っていると、「僕」は空いっぱいに「巨きな魚」を見る。

「知らないこと」
 女子大生の「私」は、ニートの兄から隣家の奇人・中原光次の話を聞く。そのうちに、「私」は自分が何をするのか、自分の部屋がどこか、わからなくなって「知らないこと」だらけになってくる。

「こわいもの」
 「私」は座敷の真ん中に座って、怖いものとは何かを考え続けている。しかし、これはというものを思いつくことができない。実は、とある老人から「こわいもの」を譲り受けることになっていたのだ。

 「十万年」の冒頭のように理屈っぽい能書きを垂れるところや、「逃げよう」の「厭だ厭だ厭だ。」(P157)といった主観性の高い表現など、京極夏彦らしい文章が当然のように見受けられます。
 又、「知らないこと」では、「私は診療内科医を目指している」(P226)のに、奇行を繰り返す隣人(中原)に対して無関心の態度を取っています。少しは診療内科医の知識を用いて分析くらいしてみろよ、と突っ込みを入れたくなります。
 それから、「下の人」では、なかなか前に進まない女同士の会話にイライラさせられました。でもまあ、井戸端会議ってこんなものなのだろうなあと思い直しました。というのは、あれぐらい停滞しなければ、長時間はもたないだろうからです。
 最後に、「こわいもの」って何だろう? ネタバレになるので詳しくは言えませんが、「それは○○である」という言葉による定義を与えないうちは、正体が不明のままであり、それは確かに怖いと言えるでしょう。

幽談 (幽BOOKS) Book 幽談 (幽BOOKS)

著者:京極 夏彦
販売元:メディアファクトリー
Amazon.co.jpで詳細を確認する

【落書き】裸の…

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【落書き】俺のウンコ

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【落書き】微生物

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【落書き】安いよー

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【落書き】愛してるぜ

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No.1ダンサーと行く都内最恐霊場(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。

出演:桧山かおり

 ダンサーの桧山かおりが、平将門の首塚、千駄ヶ谷トンネル、お岩稲荷といった都内の心霊スポットを巡り、ダンスで供養するというもの。
 首塚の前でそんなセクシーダンスを披露するとは…やるなあ。そもそも神の前で踊って神を楽しませる、というのは宗教儀礼としては珍しいことではないので(例えば日本では神楽というものがある)、これはこれでいいのかもしれません。
 ということで神田明神・築土神社の祭神である平将門公よ、寛い心でお許しあれ。

見つめているのは

 今回紹介するのは、小田原鈴廣の板わさのCMです。

作品名:見つめているのは
投稿者:投稿者:tuboneさん

 導入部で感動系の作りになっているのかと思いきや、最後にオチをつけて「あれれ?」と軽く肩透かしを食らわせています。しかも、かまぼこの品位を損わない程度に。
 それに、出演しているのが子供というのも効果的なのかもしれません。これが私のようなむさ苦しい人間だったらこうはいかないでしょう。

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 フェイスライン・首の肌が気になる方へ。
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グレイム・ギル/内田健二【訳】『スターリニズム』岩波書店

 最初に断わっておきますが、本書は「ヨーロッパ史入門」シリーズの一冊なのですが、「入門」とあるにしては難しく、大学生が読むレベルだなと感じました。
 さて、スターリニズムとは何か? 本書の言葉を借りると、「スターリニズムは、一九三〇年代から五〇年代のソ連で見られたソヴィエト的現象である」(P99)とのこと。
 本書の定義するところのスターリニズムは以下の通り。少々長くなりますが引用します。

(1)制度上は高度に中央集権化された指令経済システム。大衆動員と重工業発展の最大限の重視を特徴とする。
(2)初期の段階では、大々的な流動を特徴とした社会構造。なかでも特筆すべきは、かつての下層階級を権力と特権ある地位に引き上げた高水準の社会的流動。その後、社会は安定し、等級や地位、厳格な上下関係が支配する社会構造へと帰結。
(3)文化的、知的領域では、すべてが指導部の定める政治的目的に奉仕するべきであるとされ、文化的、知的活動の全分野が政治的監視を受けた状態に置かれる。
(4)統治の手段としてテロルを用いた個人独裁。ここでは、政治組織はほとんど独裁者の道具以上の何物でもなかった。
(5)国家にとって重要と見なされる限りで、あらゆる生活領域が政治化される。
(6)権力の中央集権化と、その反面に見られた中央の日常的統制の著しい弱さ。その結果、実際には日々の活動が厳重な統制を受けず、組織化もされていないシステムが出来上がった。
(7)初期の革命的な価値規範は、保守的で現状維持の志向によって取って代わられた。
(P86)

 私はこのブログで映画や本のレビューを勝手気ままに書いているのですが、もしもスターリニズムの影響下にあったと想像してみると、相当困ったことになりますな。
 まず、(3)によって「政治的監視を受けた状態に置かれる」から下手なことは書けない。そういうことを書いてしまえば「テロル(=粛清)」に遭うでしょう。
 又、(5)を考慮するならば、不特定多数の人間にメッセージを発信できるブログは、「国家にとって重要と見なされる」可能性が高く、そうなるとブログという「領域が政治化される」でしょう。
 政治化できる映像作品や書籍もあるにはありますが、そればっかりではありませんから、言論の幅は相当狭められ、使える言葉も相当限られてくるのは間違いありますまい。

スターリニズム (ヨーロッパ史入門) Book スターリニズム (ヨーロッパ史入門)

著者:グレイム ギル
販売元:岩波書店
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週間金曜日取材班『増補版 電通の正体――マスコミ最大のタブー――』金曜日

 発行人は佐高信。
 電通とは日本最大の広告代理店ですが、黒子役であるためか詳しいことはあまり世に知られてはいない模様。本書はそれを暴くことを目的としています。
 本書によると電通は永田町(特に自民党)と深い関係を持っていたり(P102)、有名人の子弟を囲い込んだり(P120)、「民放テレビ関係者にとっては“神様”以上の存在」(P40)だったりします。
 そういえば上杉隆氏がマスコミのタブーとして記者クラブ制度を挙げてこれを批判していましたが、大マスコミは取り上げませんな。
 それと同様に、本書の電通批判も黙殺されることでしょう。前者は既得権益を保持するために、後者はお金(広告収入)のために。

電通の正体―マスコミ最大のタブー Book 電通の正体―マスコミ最大のタブー

著者:『週刊金曜日』取材班
販売元:金曜日
Amazon.co.jpで詳細を確認する

唐沢俊一・著、ソルボンヌK子・マンガ『昭和ニッポン怪人伝』大和書房

 昭和の高度経済成長期を彩った偉人・変人・奇人たちを紹介。取り上げられているのは手塚治虫、水木しげる、長嶋茂雄、王貞治、三島由紀夫、川端康成、佐藤栄作、田中角栄、等々…。
 第5章(P89)で映画のヒーローとして007と寅さんが取り上げられていますが、本書では両社にライバル関係を見出しています。曰く、どちらも観光映画とのこと。
 なるほど、「男はつらいよ」には確かに観光映画としての側面があるのは感付いていましたが(どこかの観光地が「男はつらいよ」の撮影を誘致していると新聞の記事で読んだ記憶がある)、「007」にもそれがありましたか。
 次に「007」を観る機会があったら、そういう視点でチェックしてみるのもいいかもしれませんねえ。

昭和ニッポン怪人伝 Book 昭和ニッポン怪人伝

著者:唐沢 俊一,ソルボンヌK子 (絵)
販売元:大和書房
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長い髪の女(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。

出演:東真彌

 グラビアアイドル・東真彌が主演で撮影されたものの、お蔵入りになってしまった映像に、長い髪の女と思しき姿が映りこんでしまったというもの。
 すいません、真彌ちゃんのIカップ(103cm)に目を奪われてしまってよくわかりませんでした。なんという巨乳だ。

 投稿!恐怖心霊動画 DVD付 投稿!恐怖心霊動画 DVD付
販売元:セブンアンドワイ
セブンアンドワイで詳細を確認する

東真彌 デジタル写真集「まみのIカップ」
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

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加藤廣『謎手本忠臣蔵(下)』新潮社

 いやはや、すさまじいスパイ合戦ですな。
 ネタバレになるので詳しくは言えませんが、赤穂浪士が諜報活動するのみならず、黒鍬衆や上杉家の隠密も暗躍しており、まさか○○までスパイだったとは…となっております。
 ちなみに、上巻で明らかにされなかった「神君の密書」の行方については、ああいう決着(ネタバレになるのでこれも言えません)が一番妥当なんじゃないかと思います。あんな物騒なものは、世に出てしまったら上下巻だけでは収拾がつかなくなり、本書が「忠臣蔵」の範疇を超えてしまうだろうからです。

謎手本忠臣蔵 下 Book 謎手本忠臣蔵 下

著者:加藤 廣
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

霊と暮らす男(2009年、日本)

 この動画は、雑誌『本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画』(DIA Collection)の付録DVDで観ました。

出演:大熊熊五郎(仮名)

 都内某所に、霊と暮らしている男がいて、その男性にインタビューするというもの。一見するとごく普通のアパートで、部屋の中も独身男性の部屋らしく適度に雑然としていて、こちらも普通です。
 一応、木目が人の顔に見えたり、ラップ音が聞こえたりといった「怪奇現象」が出てくるのですが、どうせだったら男の話に出てくる少女の霊とかおばあちゃんの霊とかも「出演」すればよかったのになあ。

ちょっとした報告

 某日、ブックオフの100円ワゴンで「本当に存在する 投稿!恐怖心霊動画」(DIA Collection)なる雑誌を発見し、付録にDVDがついていたので購入してしまいました。
 今後、このDVDに掲載されている動画をレビューしていきたいと思います。

加藤廣『謎手本忠臣蔵(上)』新潮社

 冒頭の柳沢吉明(後の吉保)と吉良上野介の会見シーンで参ってしまいました。
 保明は上野介に桜湯を出したのですが、2杯目の桜湯には赤穂産の塩を用いて、上野介を試しています。粗忽者の私なんぞには到底ついていけない、高度な政治ゲームです。

 それはさておき、本書の中で大石内蔵助は、主君(浅野長矩)がなぜ吉良上野介に対して怒り、あえて殿中で刃傷沙汰に及んだのかについて知ろうとし、その一方ではやる赤穂藩士たちを巧みに抑え込んでいます。
 刃傷に及んだ理由については下巻で明らかとなるでしょうし、「神君の密書」フラグも回収されることを期待しつつ、下巻へと続く。

謎手本忠臣蔵 上 Book 謎手本忠臣蔵 上

著者:加藤 廣
販売元:新潮社
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岡田克也外務大臣記者会見@外務省 生放送

 今日、ニコニコ動画で「岡田克也外務大臣記者会見@外務省 生放送」を視聴しました。記者の質問が聞き取りにくかったのが少々残念ですが、一般人が生放送でこういうのを視聴できるのはありがたい。
 記者クラブ制度でガッチリ固められていたなら、ニコニコ動画が大臣の記者会見を流すなんてできませんから、時代が変わったのを実感しますな。
 今度ともこういう記者会見がニコニコ動画で流れることになるでしょう。

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