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島田裕巳『公明党vs.創価学会』朝日新書

 創価学会と公明党についてよく知らない人たち(私を含む)から見れば、本書のタイトルは奇異に映ることでしょう。
 しかし本書によると、

 小泉純一郎政権に変わると、首相の靖国神社参拝やイラクへの自衛隊派遣といった問題が起こり、そのつど、創価学会の意向と公明党の政策なり、行動なりとの不一致が目立つようになる。(P190)

 とのこと。とはいえ、この程度の不一致など、信仰で結びついた両組織にとっては乗り越えられない問題ではありますまい。
 それに、公明党は今年8月の政権選択選挙で大敗(小選挙区は全滅、幹部は軒並み落選)して野党に転落しており、そうなると今までのように連立のパートナー(自民党)との間で妥協しなくて済む。というわけで「創価学会の意向と公明党の政策なり、行動なりとの」一致が可能になり、「vs.」の事態がなくなるわけですな。めでたしめでたし。

 ちなみに、本書の第四章の末尾(P201-204)には今後の政界の予測が書かれています。尚、「あとがき」に「二〇〇七年五月」とあるので、安倍政権の時代に本書が執筆されたものだということがわかります。
 この時点では、首相が二代続けて政権を投げ出し、その次の首相はKYでブレまくるなんて私も著者も誰も予想だにしていませんでしたから、「民主党が勝利したとしても、安定多数を確保することはかなり難しい」(P202)といった予測は外しています。しかし、「公明党が民主党との連立に踏み切る可能性は低い。むしろ、自民党と共に野に下り、ふたたび両党で政権奪取を狙う方が現実的である」(P203)というのは当たっているといえるでしょう。

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