梁東準・太田哲二・全順子『韓国偉人伝』明石書店
どこの国、どこの民族でも歴史上に偉人とされる人物がいるわけでして、韓国にも当然ながらそういう人物がいます。
で、本書ではどんな偉人が紹介されているかというと…
・柳寛順 三・一運動で獄死した女子学生
・乙支文徳 隋の大軍一一三万を破った英雄
・申師任堂 韓国人が最高に尊敬する女性
・李瞬臣 豊臣秀吉の野望を砕いた水軍の英雄
・金通精 最後の三別抄将軍
・世宗大王 ハングルを創制した大王
・王仁 日本に文字をもたらした百済一の学者
・広開土王 碑文に刻まれた偉大なる功績
・檀君王検 建国神話
以上の9人です。
本書の序文「はじめに」によると、
本書で取り上げた九人の人物名を並べて、日本人に「知っている人物はいますか?」と尋ねても、「一人も知らない」と答えるのがおそらく大半であろう。「聞いたことがある。知っている」と答える人でも、「せいぜい一人か二人」である。
とあります。ちなみに私は本書を読む前に李瞬臣、世宗大王、王仁(わに)、広開土王(好太王)、檀君の5名は知っていたので、「平均的な日本人」よりは詳しいといえるのではないでしょうか。
とまあ、自慢はさておき、本書のツッコミどころを指摘しておきます。
(1)第五話の金通精。「最後の」とあるとおり、物語の最後の最後にならないと登場しない。第五話は135ページから始まって168ページで終わるのですが、金通精は166ページでようやく登場します。つまり、彼の活躍が描かれるのはたったの3ページ…。
(2)第九話の檀君。偉「人」というより神様だろ。本書によると「寿命は千九百八歳であった」(P247)とあるし…。
最後に本書を読み終えて気付いたことを一つ。
あれ? 金春秋が載ってないじゃん。
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韓国偉人伝 著者:梁 東準,全 順子,太田 哲二 |
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