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ダークナイト(2008年、アメリカ)

監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマン、アーロン・エッカート、マギー・ギレンホール、モーガン・フリーマン
原題:The Dark Knight

 この映画は、レンタルビデオで観ました。近所のレンタルビデオ店から借りてきたこのDVDを家族に提示した際、「それ何?」と訊かれたので、私は
「バットマンの最新作」
 と答えました。事実その通りなのですが、今までのバットマン映画と趣を異にしていると前評判で聞いていたので、自分の答えに何か引っかかるものを感じずにはいられませんでした。
 で、2時間半かけて鑑賞しましたが、確かに今回のバットマンは単なる勧善懲悪モノのアメコミヒーローとは異なっていて、作品中で「無法者」と呼ばれています。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、最後には自ら汚名をかぶることさえします。
 映画のタイトルが「バットマンVSジョーカー」じゃなくて「ダークナイト」となっているのもうなずけます。もしも題名が「バットマンVSジョーカー」になっていたとしたら、それは1時間半のB級アクション映画でしょうな。

 ところで、この映画の難点を一つ。夜間の戦闘シーンが何度か出てくるのですが、暗くてアクションがよくわからないところが幾つかありました。バットマンは夜目が利くから平気なのでしょうが、観ているこっちはそうでもないもので。

 最後に、敵役のジョーカーについて。
 このジョーカーを見ていて、私は『西郷南洲遺訓』の「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るもの也」(遺訓 三〇)という言葉を思い出しました。西郷隆盛の意図とは異なりますが、この映画のジョーカーは命も名誉も地位も金銭もいらない(冒頭で銀行強盗をしていますが、その後、マフィアから巻き上げた金を盛大に燃やすことで金目当てではないことを示す)。
 こういう人間にはどう対処していいものやら…。

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