上杉隆『小泉の勝利 メディアの敗北』草思社
小泉純一郎がメディアをいかに手玉に取って、最後まで高い支持率を維持しつづけたのか、そして自分(上杉隆)を含むメディアがどのような過ちを犯し続けてきたのかを反省と自戒の念を込めて検証したもの。
本書を途中まで読んでいて思い出したことがあります。それは小泉政権末期、某大手新聞(N本経済新聞)に「竹中後継・小泉院政」の前打ち記事(将来を予測した記事)が掲載されていたことです。即ち、小泉純一郎が竹中平蔵を後継の総理大臣に据えて、自分はそれを背後で操って院政を布く、というものです。
この時、竹中平蔵は参議院選挙で当選して「選挙の洗礼」を受けていたとはいえ、一年生議員。おまけに党内の支持基盤は…。
私が「竹中後継・小泉院政」を否定するのに用いた論拠の成否はさておき、結果的にこの前打ち記事は予想を外してしまいました。ご愁傷様です。
「田中角栄は『闇将軍』として権力を振るったとか。永田町の常識ならそうするのだろうが、小泉はそうじゃないからなあ…」
などと思った記憶があります。
そんな感慨に耽っていたら、本書のP236に「小泉&ブッシュ『竹中平蔵を次の総理に!』10の理由」とありました。ブルータスよ、お前もか!
しかし、予想を大外ししたという自らの過ち(いわゆる黒歴史)を正直に認め、反省する著者の心意気は好感が持てます。
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