平山夢明『大江戸怪談草紙 井戸端婢子』竹書房
江戸時代を舞台とした怪談を、ミステリーホラー作家の平山夢明氏が「当時の文献を元に」紡ぎ出したもの。
出典を明記していないので「当時の文献」が何かはわからないのがちょっと残念ですな。せめて巻末に参考文献の一覧でも載っていれば、それを手がかりに新たな「江戸の怪談」を探索することができたでしょうに。
それはさておき、本書には「忌み草履」(P100)や「魂呼びの井戸」(P112)など、江戸時代の習俗(地方によっては残っているかもしれませんが)が書かれていて、これらを民俗学的に考察してみるのも面白いかもしれません。
例えばなぜ井戸に向かって名前を呼ぶことが魂呼びになるかといえば、井戸が異界(あの世)へと通じる、一種のトンネルのようなものとみなされていたからでしょう。
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大江戸怪談草紙 井戸端婢子 (竹書房文庫) 著者:平山 夢明 |
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