八幡和郎監修『幕末藩主の通知表』宝島社
幕末に登場する藩主らの評価を通知表付きで述べたもの。藩主だけでは足りなかったのか、将軍、維新の志士、新撰組、女性、外国人も取り扱っています。
で、その通知表の中身をチェックしてみると、幕末にちょっと詳しい人間が見れば「これはおかしいだろ」とツッコミを入れたくなる点が見受けられます。
例えば、本書では徳川家定の総合評価が57点(P74)なのに対し、松平容保の総合評価が45点(P74)。この二人を見比べた場合、政治力・実績・人格・身体的な頑強さなど、いずれも松平容保の方が上だと思うのですが…。
そんな疑問を抱きつつ、通知表をよくよくチェックしてみると、通知表の項目に「石高」「爵位」なるものがあり、家定はどちらも5(最高評価)を得ています。なるほど、こんなところでゲタをはかせてもらっていたのか。
とまあこのように、ツッコミを入れようと思えばいくらでも入れられるかもしれません。幕末に詳しい人は、そういう読み方をしてみてはいかがでしょうか。
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幕末藩主の通知表―八幡和郎が幕末の藩主・志士たち200人を徹底検証! (別冊宝島 1460) 販売元:宝島社 |
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