元木泰雄『保元・平治の乱を読みなおす』ＮＨＫブックス

保元・平治の乱を読みなおす (NHKブックス) 著者：元木 泰雄 販売元：日本放送出版協会 Amazon.co.jpで詳細を確認する

　平安時代の政変は宮廷内陰謀に留まっていたのだが、保元の乱では武力衝突に発展してしまった。なぜか？
　又、三百年ぶりに公式の死刑が復活した。なぜか？
　本書ではこういった疑問を解明しつつ、資料を読み直すことで「摂関家の武装化がかなり進行していた」(P94)、平治の乱を起こした藤原信頼は「当時の有力武将すべてと関係を有し、自在に強力な武力を行使しうる最大の武門だった」(P181)といったことなどを明らかにしています。
　とはいえ、当時の人間関係（血縁関係・婚姻関係・主従関係など）が複雑に入り組んでいるので、登場人物の把握には苦労するかもしれません。