夢枕獏『陰陽師 瘤取り晴明』(文芸春秋)
陰陽師・安倍晴明シリーズの一冊なんですが、表紙を飾るイラスト(絵・村上豊)にちょっと問題があるんじゃないかと思いました。乳房が3つある裸の女が、右手を股間に当てて踊っているというものです。
ちなみに、このイラストに該当する本文を引用すると、
「乳が三つある全裸の女が、踊りながら、自らの両脚の間にあるものを、指で開いたり閉じたりすると、鬼たちがどっと笑い転げる。」(P39)
もちろんこの女は人間ではないのですが、それにしたって映像化したらテレビの地上波で放送できるものではありません。う~ん、アメノウズメより卑猥だ。
ところで、「瘤取り晴明」では昔話の「こぶとりじいさん」(正確に言うと『宇治拾遺物語』の「鬼にこぶとらるゝ事」)を題材にしてそこに安倍晴明が登場して事件を解決する。たしかに鬼が登場するから陰陽師の出番ですな。
![]() |
![]() |
陰陽師―瘤取り晴明 (文春文庫) 著者:夢枕 獏 |
« 黄文雄『「龍」を気取る中国 「虎」の威を借る韓国』(徳間書店) | トップページ | 平川不動滝(2008年、日本) »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 絵・天野行雄『動物園怪談画劇―井之頭百物語・玖―』井の頭自然文化園(2025.03.28)
- 大前粟生「タンを待ちながら」(2025.01.28)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(6)ボズワースの戦い(2024.06.06)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(5)第二の求婚(2024.06.05)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(4)処刑と暗殺(2024.06.04)
« 黄文雄『「龍」を気取る中国 「虎」の威を借る韓国』(徳間書店) | トップページ | 平川不動滝(2008年、日本) »
コメント