サムソンとデリラ(1949年、アメリカ)
監督:セシル・B・デミル
主演:ヘディ・ラマール、ヴィクター・マチュア
原題:SAMSON AND DELILAH
原典:『旧約聖書』「士師記」13-16
備考:第23回アカデミー賞美術監督・装置賞、衣装デザイン賞
あらすじ…ユダヤの民がカナンの地に定住して、いまだ王を立てていなかった頃、ユダヤの民はペリシテ人の支配下にあった。
ユダヤのダン族に怪力無双の男・サムソンがいた。彼は、ペリシテ人の娘セマダールと結婚しようとする。だが、セマダールの妹デリラは彼に懸想し…。
聖書が身近にある欧米人なら、「サムソンとデリラ」と聞けば「ああ、あの話か」とすぐに了解されるでしょうが、聖書を読んでいない日本人には原話を知らないというハンデがあります。とはいえ、複雑なストーリーではないので、知らなくてもさして困ることはありません。でも、知っていたら小ネタ(例:獅子と蜂蜜の件、サムソンが門を持ち運んだ話、サウル少年など)や原話と異なる点がわかって面白いのではないでしょうか。
ちなみに私は聖書を読破しており、当然ながらこの話も知っていました。いや寧ろ、この部分を読んで感銘を受けたのを憶えています。
さて、この映画についてですが、デリラの悪女ぶりが光っていますな。デリラは何度となくサムソンをだまし、サムソンもある程度はそれを承知して対処しているのですが、デリラの方が一枚上手で、結局はサムソンはだまされてしまう。デリラがサムソンに眠り薬を一服盛るシーンはその白眉です。
いつの世にもこういう男女って、いると思いませんか? 例えば現代ならルパン三世と峰不二子とか。だからこそ時代や場所を越えて「サムソンとデリラ」が通用するのかもしれません。
又、豪華な衣装や装置にも言及しておかねばなりますまい。それでアカデミー賞を取ったのですから。
衣装はキンキラキンでカラフルであり、実に贅沢ですな。歴史的にはこんなにゴージャスではなかったろうに…とも思いますが、そこはお話ですので目くじらを立てることはありますまい。むしろ目の保養にしたほうがいいでしょう。
又、ダゴンの神殿も、今でしたらCGで立派なのが造れますが、そんなものが全くない当時の技術で結構頑張っています。これはすごい。
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