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天使の牙 B.T.A(2003年、日本)

監督:西村了
出演:大沢たかお、佐多真由美、萩原健一、佐野史郎、黒岩友香、豊原功補、永井大、要潤、小木茂光、嶋田久作、西村雅彦
原作:大沢在昌『天使の牙』
備考:サスペンス、アクション

あらすじ…刑事の河野明日香と古芳は恋人関係であり、二人は麻薬組織クラインを追っていた。そんなある時、クラインのボス・君国の愛人である神崎はつみから保護を求める電話が入る。だが、救出作戦は失敗。はつみは頭を撃ち抜かれ、明日香は全身に銃弾を浴びでしまう。二人は死んでしまった…と思われたが、警察は極秘裏に脳移植手術を敢行、はつみの肉体に明日香の脳を移植した…!

 本作には脳の移植手術なるものが登場します。この映画では成功していますが、実際には数々の問題があります。

(1)倫理的・法的問題
 脳の移植手術に関して、法律の整備がされていないし、議論も充分にされていない。

(2)技術的な問題
 例えば脳の神経をどうやってつなぐの?

(3)適合の問題
 臓器移植手術では、臓器が患者に適合するかどうかが問題になります(適合しないと拒絶反応が起こる)。脳も同様だと思われます。ちなみに本作では「奇跡的に適合」したとか。御都合主義!

 それから、作品自体は流血描写が多いので、苦手な人は視聴にご注意を。

ガチバンII 最凶決戦(2008年、日本)

監督:元木隆史
出演:窪塚俊介、秋山奈々、南圭介、沖原一生、松浦祐也、佐藤二朗、伊佐山ひろ子、佐野和真、深水元基
備考:アクション

あらすじ…ぶらっくぶらっくぶらっくドクロ団の団長・八重樫拓海はケンカに勝ち続けて不良のテッペンをキープし続けていたが、そんな彼も高校3年になって卒業後は足を洗って消防士になろうと考えていた。そこで留年した出口大河に団長の座を譲ることに。そんなある時、拓海の噂を聞きつけて森紋児が転校してくる。森紋児はテッペンを狙っていた…!

 第1作は未見。でも、冒頭にナレーションが入るので、それを聞けば未見の人でも(多分)大丈夫。もっとも、そのナレーションの内容自体は薄っぺらいですが。

 さて、主人公の八重樫拓海ですが、ハッキリ言ってバカです。例えば彼は高3にもなってイマジナリー・フレンドがいるのですが、そのイマジナリー・フレンドはこともあろうに精子の擬人化。何だそりゃ。
 一方、敵役の森紋児はというと…狂っていますな。
 ともあれ、頭カラッポにして観るにはいいんじゃないでしょうか。

世界はときどき美しい(2007年、日本)

監督:御法川修
出演:松田龍平、市川実日子、片山瞳、松田美由紀、柄本明、浅見れいな、瀬川亮、草野康太、木野花、遠山景織子、あがた森魚、尾身としのり

あらすじ…各人がポエムを朗読する。

 芸術性が高く、哲学的。だから、観る人を選ぶ作品だと言えます。
 本作はオムニバス形式(全5話)で、各話につながりは見受けられません。各話には世代も境遇も異なる人たちが登場し、彼らがポエムで自分語りをしています。
 おっと、ポエムと聞いて敬遠するのは早計ですぞ。ひょっとしたら、登場人物と自分の世代や境遇などが近いと共感できるところがあるかもしれません。
 ちなみに私の場合、第1話の体調不良云々のくだりにちょっと共感してしまいました。年を取ると免疫力が落ちてきて病気になりやすくなってしまいますからね。

リアル鬼ごっこ(2008年、日本)

監督:柴田一成
出演:石田卓也、谷村美月、大東俊介、松本莉緒、吹越満、柄本明
原作:山田悠介『リアル鬼ごっこ』
備考:アクション

あらすじ…高校生・佐藤翼は、敵対する不良グループに追われ、全力で走っていた。追い詰められて捕まりそうになった瞬間、気がつくと彼は別の日本(パラレル・ワールド)にいた。そこでは独裁的な国王が、佐藤姓を持つ人々を標的に、捕まれば死刑という究極の鬼ごっこを強要していたのだ。(パッケージ裏の紹介文より引用)

人物関係図

 原作は未読。
 さて、物語では主人公が突如としてパラレル・ワールド(並行世界)に転移して、少し経ったところで「妹」の佐藤愛が登場して説明はしてくれるのですが、あの状況下で理解しろというのはかなり難しい。それでも主人公は何とか吞み込まないと生き残れないのだから大変です。
 とはいえ、並行世界というモチーフは、SFやファンタジーで使われているものなので(例:映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」、萩原朔太郎の小説「猫町」)、その方面のファンなら理解できるんじゃないでしょうか。
 この映画の並行世界の概念について詳しく言うとネタバレになりかねないので、これ以上は差し控えます。

 次に、鬼について。鬼が人間を追いかけて殺す、というのはホラー作品ではよくあることです。例えば「13日の金曜日」「ハロウィン」では殺人鬼が追いかけてきますからね。
 ただ、今作の鬼は国家が動員した囚人というのが特色です。囚人を手っ取り早く調達できる戦力と見なしているのでしょうか。まあ、リアル鬼ごっこをやるような滅茶苦茶な国なら、司法がまともに機能しているわけがないし、囚人を集める手口だってどうせロクなものでもあるまい。

乗り物シリーズ:見てみよう! 新幹線のれきし(2009年、日本)

制作:国際放映株式会社
備考:子供向け

あらすじ…新幹線の0系からN700系までの歴史を紹介する。

 新幹線0系の引退セレモニーのシーンでは、身を乗り出してカメラを構える撮り鉄の姿が画面の端に映り込んでいます。ああいう撮り方は危ないから、良い子のみんなはマネしないでね!
 それはさておき、こちらの映像作品は0系から始まって、100系、200系、300系、500系…と様々な新幹線が登場。30分という短時間で紹介するには種類が多すぎて目まぐるしく感じてしまいました。

乗り物シリーズ:見てみよう! 新幹線のれきし

【新幹線関連記事】
新幹線試乗(1964年、日本)
『現美 GENBI SHINKANSEN』JR東日本
『JR東日本×劇場版シンカリオン スタンプラリー&謎解き』JR東日本
『JR東日本×シンカリオン スタンプラリー ~超進化研究所大宮支部編~』JR東日本
『北海道新幹線開業記念 北海道新聞広告特集』北海道新聞
山村美紗「新幹線プレイ」

鞍馬天狗のお年寄りの交通安全(2002年、日本)

監督:井上泰治
出演:橋爪淳、伊吹吾郎、由美かおる
備考:時代劇、教育ビデオ

あらすじ…婦警が老人たちに、鞍馬天狗を題材にして交通安全を講義する。

 時代劇パート(幕末)と講義パート(現代)に分かれており、婦人警官に扮した由美かおるが時代劇を題材にして交通安全を説いています。
 ボーッと歩いていると危ないというのは私も経験がないわけではないので、自分も気を付けねばと思いましたわ。

【交通安全関連記事】
交通安全祈願碑(高尾山登山口)
東池袋自動車事故慰霊碑(日出町第二公園)
陸上交通殉難者追悼之碑(築地本願寺)

ソウ(2004年、アメリカ)

監督:ジェームズ・ワン
出演:ケイリー・エルウィス、リー・ワネル
原題:SAW
備考:サイコスリラー、R15+

あらすじ…二人の男が密室に監禁された状態で目覚める。部屋の中央には死体が。殺人鬼ジグソウの仕業だ! 二人は何とかして脱出しようとするが…。

 残虐描写注意。流血のみならず人体切断なども登場します。

 私はこの作品をレンタルビデオのDVDで視聴したのですが、そのDVDに収録されたメイキング映像に監督(ジェームズ・ワン)が登場し、そこで「ソウ」が自主制作映画として作られたことが語られています。
 部屋に監禁されていてそこから脱出しようとする、というモチーフならばたしかに、自主制作映画のような低予算とも相性がいい。
 もちろんそこからどう面白くするかが腕の見せ所です。それではこの「ソウ」はどうかというと…そうですな、ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、結末には唸ってしまいましたわ。そうきたか、とね。

リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い(2003年、アメリカ)

監督:スティーブン・ノリントン
出演:ショーン・コネリー、スチュアート・タウンゼント、ナサーラディン・シャー、ペータ・ウィルソン、トニー・カラン、シェーン・ウエスト、ジェイソン・フレミング
原題:The league of Extraordinary Gentlemen
備考:アクション・アドベンチャー

あらすじ…19世紀末、驚異のハイテク兵器を駆使して世界征服を企む“ファントム”率いる謎の集団に、全世界の平和が脅かされていた。その脅威に対抗すべく、大英帝国は伝説の力を秘めた7人の超人たちを呼び寄せ、超人同盟“ザ・リーグ”を結成した――(パッケージの紹介文より引用)

 少々調べてみたところ、ファントムの元ネタはガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』。とすると、マスクの下にただれたような傷があるのも納得。
 それから、ネモ船長の部下イシュマエルはハーマン・メルヴィルの『白鯨』の主人公。ただし、主人公といっても普通の船乗りなので、特殊能力などはありません。
 尚、上記の2作品及び『ジキル博士とハイド氏』(※)を映像化したものを、当ブログにてレビューしております。記事の末尾にリンクを貼っておきますので、参考までにどうぞ。

 最後に、モリアーティ教授についても言及しておきます。
 モリアーティ教授はシャーロック・ホームズ最大のライバルと言ってよい存在で、公式にはライヘンバッハの滝に落ちて死んだことになっています。
 ネタバレ防止のために彼がいつどこで登場するのかは伏せておきますが、この映画では「実は生きていた」という設定になっています。
 そもそも一緒に落ちて死んだことになっていたシャーロック・ホームズだって生還したんだから、モリアーティが生きていても不思議はあるまい。特に人気の高いヴィラン(悪役)なら簡単には死なせてもらえない。

※この映画ではジキル博士&ハイド氏も登場。ただ、ここでのハイド氏は超人ハルクのようなパワー系の巨漢になっています。

【関連記事】
オペラの怪人(1943年)
ジキル博士とハイド氏(1912年)
白鯨
シャーロック・ホームズ(目次)

頭山(2002年、日本)

 このアニメは、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/9NMLiFcC91s

監督:山村浩二
語り・三味線:国本武春
原作:落語「あたま山」
備考:アニメ、コメディ

あらすじ…ケチな男がサクランボの種を食べると頭から桜の木が生えてくる。

 ユーモラスに話が展開するから笑っていられますが、花見客が訪れるなどといった現象はこの男の精神世界の出来事と解釈できなくもない。だとすれば狂気に満ちていると言えます。
 それから、最後のスタッフロールは文字が激しく動くので、まともに読もうとすると頭が痛くなってきそうです。ご注意を。

オリエント急行殺人事件~死の片道切符~(2001年、アメリカ)

監督:カール・シェンケル
出演:アルフレッド・モリナ、メレディス・バクスター、レスリー・キャロン
原題:Murder on the Orient Express
原作:アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』
備考:ミステリー

あらすじ…エルキュール・ポアロがオリエント急行に乗っていたら殺人事件が発生。ポアロが捜査に乗り出す。

 まずは登場人物一覧を掲載しておきます。原作小説とは異なりますのでご注意を。

【登場人物一覧】
エルキュール・ポアロ…………名探偵。
ウォルフガング・ブーク………鉄道会社の重役。ポアロの友人。
サミュエル・ラチェット…………アメリカ人の金持ち。殺害される。
ウィリアム・マックイーン………ラチェットの部下。
ボブ・アーバスノット…………IT会社のCEO。
メアリー・デベナム……………救援活動家。
フィリップ・フォン・ストラウス…モナコの貴族。ヘレナの夫。
ヘレナ・フォン・ストラウス……モナコの貴族。フィリップの妻。
スラ・アルヴァラード…………南米の独裁者の未亡人。
キャロライン・ハバード………女優。
トニー・フォスカレッリ…………イタリア人セールスマン。
ピエール・ミシェル……………車掌。
ヴェラ・ロサコフ………………宝石泥棒。ポアロに求婚する。

 今作は現代が舞台ということで、VHSビデオやノートパソコンなどが登場しますし、特にパソコンは捜査で活用されています。又、登場人物たちの設定も現代風にアレンジされています(例:軍人→IT企業のCEO)。
 それから、エルキュール・ポアロの髪がフサフサで背もそこそこ高い。これはデヴィッド・スーシェ版ポアロとは対照的と言えるかもしれません。

 それにしても、序盤でヴェラ・ロサコフがポアロにプロポーズしたのには驚きましたな。一般的にプロポーズは男性が女性にするものとされていますが、その逆をやってみせています。これは女性が強くなった現代ならではのことであると同時に、ヴェラがそれだけ「積極的」な女性であるということを示しているのでしょう。

【関連記事】
オリエント急行殺人事件(1974年)

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