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桃花台ニュータウン-建設編・第三部-(1992年、日本)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/02nXW5dU0w0

あらすじ…愛知県小牧市の桃花台ニュータウンの建設が進む。

 第三部では断続的に桃花台線(ピーチライナー)が登場。この新交通システムがこのあと廃線になるとはねえ。
 それから、建物等の建設のシーンはあるものの、それ以外にも町のイベントや子供たちの動向なども多く収録されています。この時点でハード面での開発はある程度進んでいて、次はソフト面の充実が求められていたことがうかがえます。

【目次】
桃花台ニュータウン-計画編-
桃花台ニュータウン-建設編・第一部-
桃花台ニュータウン-建設編・第二部-
桃花台ニュータウン-建設編・第三部-

東京湾横断道路 中央トンネル川人北工事(1992年、日本)

 このドキュメンタリーは、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/OsX944VXVxs

製作:東京文映
備考:PRビデオ

あらすじ…東京湾横断道路を造る。

 東京湾横断道路、いわゆる東京湾アクアラインです。少々調べたところ東京湾アクアラインの開通年は1997年だから、このビデオが作られてから5年後にできたことになります。
 ちなみに、かくいう私も東京湾アクアラインを通ったことがあります。そういえばパーキングエリアの海ほたるにシールド機(シールドマシン)のモニュメントが展示されていましたっけ。本作品のシールド機を見て思い出しましたわ。

浪人街(1990年、日本)

監督:黒木和雄
出演:原田芳雄、勝新太郎、石橋蓮司、樋口可南子、田中邦衛
備考:時代劇

あらすじ…貧民街で夜鷹が次々に惨殺される事件が発生。旗本たちが徒党を組んで夜鷹を殺していたのだ。

 「浪人街」は何度も映画化されていますが、これ以外の「浪人街」は未見。

 さて、本作の浪人たちですが、実に強烈なキャラ揃いです。以下、各人について若干述べさせていただきます。

 まず、荒巻源内(原田芳雄)はヤリチンのヒモというクズ人間。それでもクライマックスの戦いではベロンベロンに酔っ払いながらも敵をバタバタ斬り倒しています。尚、戦っている内に彼の着物がどんどん脱げて行き、誰得な展開に。あ、でも、原田芳雄の肉体美を堪能できるか。

 それから、赤牛弥五右衛門(勝新太郎)は正直言って滑舌が悪い。長年に渡る荒れた生活でろれつが回らなくなったのだと解釈したい。
 あと、彼の最後のセリフが気になりました。

「風蕭蕭として易水寒し、壮士一たび去って復た還らず」

 これは荊軻が始皇帝を暗殺しようと旅立つ時に詠んだ詩句(風蕭蕭兮易水寒 壮士一去兮不復還)です。つまりこの時の弥五右衛門は伝説の刺客・荊軻と自分とを重ね合わせて、その悲壮な心情を吐露しているというわけですな。

 母衣権兵衛(石橋蓮司)は、ヒロイン(樋口可南子)に大金を積んでヤらせてくれと頼むあたりは童貞臭くて面白い。

 土居孫左衛門(田中邦衛)は、クライマックスの決戦への「出陣」で思わず笑っちゃいました。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、江戸時代にその格好は時代錯誤も甚だしく、田中邦衛がそれをやることによって滑稽味が増しています。

劇場版 鬼平犯科帳(1995年、日本)

監督:小野田嘉幹
出演:中村吉右衛門、岩下志麻、藤田まこと、梶芽衣子、世良公則、石橋蓮司
原作:池波正太郎
備考:時代劇

あらすじ…火付盗賊改の長官・長谷川平蔵は蛇(くちなわ)の平十を捕え、処刑する。そんな彼の活躍を苦々しく思っていた荒神のお豊のところへ、大坂の白子の菊右衛門のところから狐火の勇五郎がやってくる。だがその勇五郎は偽者で、実は本物の勇五郎の腹違いの弟・文吉であり、本物の勇五郎が文吉を追って江戸までやってくる。

「劇場版 鬼平犯科帳」人物関係図

 テレビドラマ「鬼平犯科帳」の劇場版。私は昔、このドラマをテレビで観ており、更にはこの劇場版をテレビで視聴した記憶がかすかにありました。

 さて、この作品の冒頭でいきなり、蛇の平十の大捕物が出てきます。ドラマ版だったら、この盗賊の一団を捕えるのに丸々1話使うところですが、盗賊の凶行や火盗改の捜査の過程などは省略してクライマックスの殺陣だけをオープニングに持ってきています。
 愚考するに、これは劇場版の豪華さを出すためなんじゃないかと推測致します。

 それにしても、荒神のお豊を演じる岩下志麻はエロいなあ。この作品では濡れ場が二つあって、その二つとは狐火の勇五郎×おまさ、荒神のお豊×辰蔵なのですが、後者は若い男を性的な意味で食うという頽廃さと、リストカットした跡を見せるというメンヘラ感があって、それはそれでエロい。

エドワードII(1991年、イギリス)

監督:デレク・ジャーマン
出演:スティーヴン・ウォーディントン、アンドリュー・ティアナン、ティルダ・スウィントン、ナイジェル・テリー
原題:Edward II
備考:ホモ映画

あらすじ…イギリス国王エドワード2世がガヴェストンを寵愛し、彼との男色行為にふける。だが、それが周囲の恨みと反感を買い…。

「エドワードII」人物関係図

 ガヴェストンがイギリスに戻ることを旅人(スペンサー)に語るそのうしろで2人の男がさも当たり前のようにホモセックスをしています。さてはここはハッテン場か!? ともあれ、この作品ではこのような調子で性的な描写、それもホモホモしいのがそこかしこに出てきます。これは家族と一緒に視聴するわけにはいきませんな。
 それから念のために言っておくと、そもそも中世ヨーロッパではホモ(およびホモ行為)は社会的に認められない存在ですからね。同性婚が認められている現代イギリスとは全く違う。
 とはいえ、そのホモを差し引いてもエドワード二世がダメ君主であることには変わりがありません。どこがどうダメなのか一々書きませんが、放蕩三昧の描写を観るだけでも視聴者には彼のダメダメっぷりが察せられるでしょうな。
 ちなみに史実でもエドワード二世の評判が悪いことは申し添えておきます。

【ホモ映画】
王の男

スリーピー・ホロウ(1999年、アメリカ)

監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ、マイケル・ガンボン、ミランダ・リチャードソン
原題:Sleepy Hollow
原作:ワシントン・アーヴィング『スリーピー・ホロウの伝説』
備考:ホラー、アカデミー美術賞

あらすじ…1799年、ニューヨーク郊外のスリーピー・ホロウ村で連続殺人事件が発生。イカボット・クレーン捜査官が派遣される。

 古めかしい舞台の雰囲気がどことなく映画「VIRGINIA/バージニア」に似ているような気がしたと思ったら、「バージニア」の監督フランシス・フォード・コッポラがこちらでは製作総指揮に名を列ねていました。そういえばどちらの作品も、昔のアメリカを舞台にしたゴシック・ホラーという共通点があります(ただし「バージニア」は現代から過去へトリップするという形式だが)。

 ところで、ジョニデ演じるクレーン捜査官が、村の有力者たちからスリーピー・ホロウの伝説を聞いて、持っていたティーカップを震わせてしまう描写が出てきます。これは主人公がビビリだというキャラクターを表現しているのですが、同時にジョニデらしい演技をしているのだと見えなくもない。少なくとも、アメリカのB級アクション映画の主人公に相応しいような筋肉バカにできる芸当ではありますまい。

 最後に一つ。この映画では人体切断、殊に首切り描写が数多く出てくるので、その点はご注意を。

真夜中の虹(1998年、フィンランド)

監督:アキ・カウリスマキ
出演:トゥロ・パヤラ、スサンナ・ハーヴィスト、マッティ・ペロンパー、エートゥ・ヒルカモ
原題:Ariel

あらすじ…炭鉱の閉山で失業したカスリネンは南へ向かう。

「真夜中の虹」人物関係図

 「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」と「真夜中の虹」がセットになっているDVDをレンタルビデオで借りたのですが、私の目当ては完全に前者の方で、後者は料金がもったいないからという理由で、もののついでに視聴しました。
 で、視聴した感想なんですが、これ単独で借りて観ようとは思わないし、テレビでやっていても多分観ないだろうな、といったものです。
 全体的に貧乏臭いのはまだいいとして、カスリネンとイルマリが出会ってから結ばれるのが早いし、母親がいきなり新しい男を連れ込んできたのにリキは(少なくとも表面的には)あっさり受け入れるし、何より主人公のカスリネンの髪形が若い頃の志村けんに似ているし…って、それはどうでもいいか。

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年、フィンランド・ドイツ・フランス)

監督:アキ・カウリスマキ
出演:レニングラード・カウボーイズ、マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン、アンドレ・ウィルムス
原題:Leningrad Cowboys Meet Moses
備考:ロードムービー、コメディ、音楽映画

あらすじ…メキシコで多くのメンバーを失い落ちぶれていたレニングラード・カウボーイズ。ニューヨークでウラジーミル改めモーゼに会い、彼に導かれて故郷へ向けて旅立つ。

 「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」の続編。前作でマネージャーだったウラジーミルがモーゼと名乗っています。
 で、やってることは前作とあまり変わらないのですが、今作では以下の特徴があります。
(1)ヨーロッパが主な舞台となっている。
(2)聖書のパロディが頻出する。

 まずは(1)について。フランス、ドイツ、チェコ、ポーランドと、ヨーロッパで演奏を続けながら旅をしています。これらの曲を聴いていると、前作のロックンロールは影を潜めているのがわかります。イギリスを巡業していたらまた違ったかもしれません。
 それから次に(2)の聖書のパロディですが、例えばモーゼが削岩機を持って山に登るのは十戒の石板を切り出すため、下山して「パリサイ人め!」と怒鳴るのはイエス・キリストが神殿の敷地内の店を壊したことの真似だし、パンをちぎって与えるのは最後の晩餐、そしてメンバーが子牛に贈り物をするのは東方の三博士の礼拝! おまけに処女懐胎光線には爆笑しました。

レニングラード・カウボーイズ

【関連記事】
レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年、日本)

監督:深作欣二
出演:佐藤浩市、高岡早紀、荻野目慶子、渡辺えり子、石橋蓮司、六平直政、津川雅彦
備考:時代劇、ホラー、個人的にR15

あらすじ…浪人の民谷伊右衛門は赤穂藩浅野家に仕官したが、すぐに松の廊下事件で赤穂藩はお取り潰しとなり、再び浪人の身となる。そんなある時、伊右衛門は湯女宿の湯女・お岩と出会い、同棲する。

「忠臣蔵外伝 四谷怪談」人物関係図

 まず最初に断わっておきますが、この作品では血しぶきが飛んだり生首が転がったりといった残虐描写や、伊右衛門(佐藤浩市)とお岩(高岡早紀)の濡れ場ではピストン運動が出てくるなどのエロ描写があるため、個人的にR15指定とさせていただきます。子供にはちょっと見せられませんな。
 それにしても高岡早紀のオッパイは大きかった…。

 さて、本作では忠臣蔵と四谷怪談を組み合わせているのが最大の特徴ですが、お岩さんの祟りが忠臣蔵のスケジュールに拘束されてしまっています。忠臣蔵は赤穂浪士討ち入り事件という歴史的事実を踏まえているだけに討ち入りの時期は動かせないが、四谷怪談はフィクションとして認知されているからスケジュールをいじくれる、ということなのでしょう。
 ただ、そのせいでお岩の顔が無残なことになってからお岩が死ぬまでの時間が短く、お岩が死んでから次々と祟りを為すのも時間的にせわしない感じがします。しかもお岩が手から波動を放って人を殺す描写となると…。

 それから、本作の登場人物は揃いも揃って悪人ばかり。時代劇では通常ヒーローとして描かれる堀部安兵衛ですら金策のためにあんなことまで…。又、伊藤喜兵衛(石橋蓮司)とその孫のお梅(荻野目慶子)、侍女のお槇(渡辺えり子)に至っては白塗りのお化けであり、「こいつら人間じゃねえ!」という感じがよく出ています。
 う~ん、実に頽廃的!

【関連記事】
陽運寺&於岩稲荷田宮神社
於岩稲荷田宮神社(中央区新川)
お岩さんの墓(妙行寺)
喰女‐クイメ‐
新釈四谷怪談 前篇
新釈四谷怪談 後篇
薄桜記(映画)
・『薄桜記』(小説)
・『謎手本忠臣蔵』()(
『碁盤太平記』
忠魂義烈 実録忠臣蔵
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浅野内匠頭終焉之地の碑(港区新橋)

ハムレット(1996年版、英米)

監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ケイト・ウィンスレット、リチャード・ブライアーズ、ジュリー・クリスティ、デレク・ジャコビ
原題:Hamlet
原作:シェイクスピア『ハムレット』

あらすじ…19世紀デンマーク。国王が死去して王の弟クローディアスが即位し、先代の王の妃ガートルードと結婚する。先代の王の息子ハムレットは鬱々とした日々を送っていたが、亡父の霊が出没すると聞き、会いに行く。

 まず最初に断わっておきます。ネタバレ注意。
 というのも、シェイクスピアの「ハムレット」は、日本における「忠臣蔵」の如く、結末を含むストーリーを知っていて当たり前の古典であり、今回ばかりは私も読者に知っていることを前提として執筆したいからです。賢明なる読者諸氏よ、ご了承願いたい。

 さて、まずは人物関係図をご覧下さい。

「ハムレット」人物関係図

 これを見て、ポローニアスの肩書きに「おや?」と思った方がいるとしたら、その人は「ハムレット」をよくご存知なのではと推察致します。
 ポローニアスは原作では侍従長(※)、本編の字幕では大臣、ケネス・ブラナーによる解説では首相となっています。ここでは本編の字幕に従って「大臣」と表記することにしました。
 尚、ポローニアスの肩書きを侍従長から大臣へ、そして時代を中世から19世紀へ移すことによって、ポローニアスの娘オフィーリアと王子ハムレットとの関係は、「身分違いの恋」という要素が(まだ幾分か残っているにせよ)薄らいでいます。ただし、ハムレットがポローニアスを殺した政治的意味合いは重くなっていますが。

 それから、映画の中で「ここでこんな人を出しちゃっていいのかよ(歓喜)」という人物がいます。劇中劇の王を演じるチャールトン・へストンと、フェンシングの審判を務めるロビン・ウィリアムズ(原作ではオズリックという役名)です。
 特にチャールトン・へストンがトロイア滅亡を浪々と語るくだりは見事で、私は彼が名優であることをこの時初めて痛感しました(「十戒」を観ているはずなのに!)。

 又、物語の中盤でハムレットがクローディアスを殺す絶好の機会が訪れるのですが、その時にハムレットは短剣をクローディアスの首に突き付け、あまつさえ空想の中では突き刺してさえいます。
 この演出は「絶好の機会」感を強調していると言えるでしょう。と同時に、ハムレットの「行動しない人」という側面もより強調されているようです。

 嗚呼、この242分という超大作についてはまだまだ他にも筆を走らせるべき箇所、言及するべき人物がたくさん存在するのですが、さすがに書き切れない!
 ともかくも、ケネス・ブラナー版「ハムレット」は重厚長大で贅沢な作品です。それはそれで好みが分かれるかもしれませんが、一生に一度は味わってみるといいんじゃないでしょうか。

※原作の典拠には岩波文庫版『ハムレット』を使用。理由は自宅の本棚にあったから。

【参考文献】
市川三喜・松浦嘉一『ハムレット』岩波書店

【関連記事】
シェイクスピア(目次)

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