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ノルマンディー上陸作戦:勝利への関門(1944年、アメリカ)

 このニュース映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/zXSeQ8S4JXg

原題:D-Day Normandy Invasion: "Gateway to Victory" 1944 United News Newsreel; WWII

あらすじ…連合国軍がノルマンディー上陸作戦を敢行する。

 ノルマンディー上陸作戦とは、第二次世界大戦中の1944年に連合国軍がフランスのノルマンディーに上陸した大規模な作戦。
 尚、このフィルムはアメリカのニュース映画なので、主にアメリカ軍の動向を取り上げています。最後の方ではドワイト・アイゼンハワー連合軍最高司令官(後のアメリカ大統領)もちょっとだけ登場。
 又、作品全体に勝利の高揚感が満ちています。まあ、実際に勝利したんだから当然か。

ダック裁者たち(1942年、アメリカ)

 このプロパガンダムービーは、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/KsBG34TSJJ4

監督:ノーム・マッケイブ
出演:メル・ブランク、マイケル・マルティーズ、ジョン・マクレーシュ
原題:The Ducktators
備考:アニメ、プロパガンダ

あらすじ…アヒルの世界でヒトラー・ダックが台頭してくる。さらにそこへムッソリーニ・ダックとヒロヒト・ダックも合流する。平和の象徴のハトはこれを嘆き…。

 原題の"Ducktators"はDuck(アヒル)とDictator(独裁者)の合成語。しかも複数形になっており、独裁者のアヒルは複数いるということになります。即ち、チョビヒゲのヒトラー・ダック、頭をハゲ散らかしたムッソリーニ・ダック、メガネ&出っ歯のヒロヒト・ダックでしょうな(※)
 念の為に述べておくと、私は別に昭和天皇が独裁者だと言ってるわけじゃありませんよ。戦争中に作られたこのプロパガンダ作品でそう言っているだけです。

 ちなみに、最後に表示されるのは戦時国債の購入を呼びかけるものです。戦争には金がかかりますからね。

※役名はインターネット・ムービー・データベースの当該記事を参照しました。

新釈四谷怪談 後篇(1949年、日本)

監督:木下惠介
出演:上原謙、田中絹代、滝沢修、佐田啓二
原作:鶴屋南北『東海道四谷怪談』
備考:時代劇、ホラー

あらすじ…お岩を殺した民谷伊右衛門はお梅と再婚し、仕官も決まって順風満帆かに思われた。だが…。

「新釈四谷怪談 後篇」人物関係図

 前篇のレビュー記事で伊右衛門が弱気でビビリであると書きましたが、後篇になるとその設定が活きてきます。すなわち、彼はそれゆえに良心の呵責にさいなまれ、狂気に陥ってゆくのです。
 又、お岩さんは一般的に怨霊として有名ですが、ここでのお岩はヒュードロドロうらめしや~という怨霊として出るというより寧ろ、錯乱した伊右衛門の幻覚としてのみ登場します。
 なるほど、これは「近代的な解釈」ですな。愚考するに、お岩さんが手から波動を放って人を殺すよりはまともで説得力があります。でも、鼠の大群に襲われて食い殺される方が恐ろしい。
 というわけで、前篇のレビュー記事で提起した「どこが新釈か?」の回答はこれで出せたと思います。もちろん、これ以外にもあるでしょうが、とりあえず私の回答はここまで。後はご自分でどうぞ。

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新釈四谷怪談 前篇

新釈四谷怪談 前篇(1949年、日本)

監督:木下惠介
出演:上原謙、田中絹代、滝沢修、佐田啓二
原作:鶴屋南北『東海道四谷怪談』
備考:時代劇、ホラー

あらすじ…民谷伊右衛門は長く苦しい浪人生活に嫌気が差していた。そんなある時、直助の仲介で一文字屋喜兵衛の娘・お梅と結婚すれば仕官の道も開けるかもしれない。だが、伊右衛門には既に妻のお岩がいた。

「新釈四谷怪談 前篇」人物関係図

 どこが「新釈」か? それに対する回答は後篇も併せて視聴してからでないと出せないので、その件は後篇のレビュー記事にて述べます。
 ただ、前篇だけ観てもすぐにわかる特徴として、民谷伊右衛門が(妻の殺害に関して)徹底して弱気でビビリな存在として描かれている、ということが挙げられます。直助に妻・お岩の毒殺を唆(そそのか)されても、おびえきってグズグズ時を過ごしていたり…。こんなんでよくお祭りの喧嘩に勝てたなあ。まあ、祭りの狼藉者と、自分を慕ってくれる病身の妻とでは次元が違うか。
 ともあれ、これによって伊右衛門が本来持っていた「ワルの魅力」は消え失せ、その部分は直助が一身に引き受ける形になっています。

 後篇に続く。

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イワン雷帝 第二部(1946年、ソ連)

監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
出演:ニコライ・チェルカーソフ、パヴェル・カドチニコフ、セラフィマ・ビルマン
備考:プロパガンダ映画、歴史劇

あらすじ…皇妃アナスタシヤを失ったイワン雷帝は孤独感を一層強めていた。そんな中、宮廷では雷帝暗殺の陰謀が進められていった…。

「イワン雷帝 第二部」人物関係図

 第二部は粛清のくだりがスターリン政権を暗に批判しているとして、ソ連では12年間公開されなかったという、いわくつきの作品。映画を観ながら「この程度のことで上映禁止にしなくても…」と思いましたが、それは私が言論の自由が保障された世界にいるからであって、あのスターリン政権下ではこの程度ですら許されなかったということなのでしょう。

 さて、第二部ではイワン雷帝主宰の宴会のシーンのみがカラーとなっていて、歌ありダンスありでかなり華やかです。しかも、この宴会の前後が陰惨でドス黒いだけに、宴会の華やかさがより一層きわ立って見えます。
 ところで、この宴会で雷帝はウラジミルを異様にかわいがっています。これまでの経緯及び雷帝の性格を考慮すれば異常であり、これを素直に受け取るのはよっぽど頭の弱い人間だけでしょうな。
 実はこの宴会の直前に雷帝はエフロシニヤにウォッカの盃を贈っているのですが、その盃は空でした。エフロシニヤは不審に思っていましたが、私はこの空の盃を見て、「あっ、雷帝はここで殺る気だな」と察しました。
 もしも私の察知が正しいとするならば(※)、雷帝のかわいがりっぷりはとんでもなくグロテスクな様相を呈してきます。おそロシア…。

※実際のところどうだったのかは、ご自分の目でお確かめ下さい。

イワン雷帝

イワン雷帝 第一部(1944年、ソ連)

監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
出演:ニコライ・チェルカーソフ、パヴェル・カドチニコフ、セラフィマ・ビルマン、リュドミラ・ツェリコフスカヤ
備考:プロパガンダ映画、歴史劇

あらすじ…モスクワ大公イワンはロシア皇帝に即位し、強力な統一国家を作ろうとする。だが、それは大貴族たちの反発を招かずにはいられなかった…。

「イワン雷帝 第一部」人物関係図

 上に掲げた人物関係図について少々。この映画では大貴族たちの名前が一応出てくるのですが、殆どモブキャラと化しているので「大貴族」と一くくりにしました。

 さて、そもそもこの映画は「イワン雷帝=スターリン」という図式を持つプロパガンダ映画です。イワン雷帝が戴冠式の演説で訴える強力な統一国家だとか、ロシアの民衆が雷帝を支持する行進のくだりだとかを見ると、「やっぱりな」と思えてきます。スターリン及びスターリン主義に詳しい人なら他にももっとプロパガンダ要素がわかるかもしれません。
 そういえばイワン雷帝とスターリンの二人は、ロシア人には人気のある独裁者で、残虐で猜疑心が強く、粛清をやりまくったという共通点がありますな。

 ところで、この映画を観ていて、登場人物たちの目の動きが大きいことに気付きました。舞台演劇に出てくるオーバーリアクションのように見えます。

 長くなってきたので第二部は項目を改めて述べることにします。

イワン雷帝

オペラの怪人(1943年、アメリカ)

監督:アーサー・ルービン
出演:クロード・レインズ、ネルソン・エディ、スザンナ・フォスター、ヒューム・クローニン
原題:PHANTOM of the OPERA
原作:ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』
備考:怪奇映画、水野晴郎のDVDで観る世界名作映画

あらすじ…パリのオペラ座に住んでいる怪人。彼は一人の唄姫をなぜか愛し、その女性の為に恐怖の仕掛けをし、プリマドンナをおどし、さまざまなおそろしいことをする。(DVDパッケージ裏の紹介文より引用)

「オペラの怪人」人物関係図

 冒頭の30分ほどを使って「オペラの怪人」がいかにして誕生したか(エリックが怪人に変身した経緯)が描かれているのが特徴的な作品。
 これによって「怪人の事情」がある程度は明らかになるものの、観ているこっちの方は怪人の正体を既に知っていることになり、そのせいで怪人の正体が不明であるという不気味さはどこかへ行ってしまっているようです。

 ちなみに私は原作の小説を中学生か高校生の頃に読んだ記憶があり、怪人が墓場でクリスティーヌにレッスンをつけるくだりなどを憶えています。この92分の映画ではそういったところなんかはカットされているのか…。

 最後に一言。音楽は良かった。

ヘンリー五世(1945年、イギリス)

監督:ローレンス・オリヴィエ
出演:リーレンス・オリヴィエ、ロバート・ニュートン、レスリー・バンクス、レオ・ゲン
原題:Henry V
原作:ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー五世』
備考:歴史劇、アカデミー賞特別賞

あらすじ…15世紀、イギリスとフランスの間で「百年戦争」と呼ばれる長い戦いが行われていた。父王の跡を継いだ若きヘンリー五世はフランスへの進駐を決意する…。(パッケージ裏の紹介文より引用)

 最初の30分くらいは1600年グローブ座での開演という劇中劇の形式で『ヘンリー五世』が展開されます。そのためかあらぬか、途中で劇中劇の形式を脱した後も、背景が書き割だったりフランスの宮廷が舞台演劇っぽい作りになっていたりしても、「演劇の延長線上にあるんだな」と思えなくもない。

 ちなみに、クライマックスのアジンコート(アジャンクール)の戦いのシーンですが…半世紀以上昔の作品ならこんなものか。あ、でも、フランスの騎馬軍団が駆けるところはかっこよかったです。

【おまけ】
 私は『ヘンリー五世』の前に位置する『ヘンリー四世』と後に位置する『ヘンリー六世』は読んだことがあるのですが、『ヘンリー五世』はまだ読んだことがないのです。ですので、今回は原作との比較はできませんでした。
 ただ、前後のつながりはわかります。例えば映画ではほんの少しだけ登場して死んでゆくフォルスタッフは、『ヘンリー四世』で活躍(?)した人物です。ちなみに劇でフォルスタッフの名前が出た時の観客の反応を見ると、彼のことは結構知られていたようです。

【関連記事】
・『ヘンリー四世』(1) (2)(小説)
・『ヘンリー六世』(1) (2) (3) (4)(小説)
シェイクスピア(目次)

ファンタジア(1940年、アメリカ)

監督:ベン・シャープスティーン
出演:レオポルド・ストコフスキー、フィラデルフィア管弦楽団、ミッキーマウス
原題:Fantasia
備考:アニメ

あらすじ…クラシックの名曲に合わせてアニメが展開される。

 この映画はおよそ8つのパートに分かれます。
(1)J.S.バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」
(2)チャイコフスキー「組曲:くるみ割り人形」
(3)デュカース「魔法使いの弟子」
(4)ストラヴィンスキー「春の祭典」
(5)ベートーヴェン「交響曲第6番 田園」
(6)ポンキエッリ「時の踊り」
(7)ムソルグスキー「禿山の一夜」
(8)シューベルト「アヴェ・マリア」

 魔法使いの格好をしたミッキーマウスが登場するのは(3)デュカース「魔法使いの弟子」で、これが一番ストーリーらしいストーリーを持っています。
 ここではミッキーは魔法使いの弟子となっていて、水汲みの雑用をこなしています。ところがミッキーは師匠の魔法使いが眠りに着いた隙に師匠の帽子をかぶって箒に魔法をかけて動かし…。
 もちろんミッキーは未熟な弟子ですから、後でしっぺ返しを食らうことになるのですが、ミッキーの気持ちも少しはわかります。水汲みという大変な作業を誰かに肩代わりしてもらいたいものだし、何より魔法を(使えるものなら)使ってみたいという誘惑には抗いがたいものがあります。
 とはいえ、魔法にせよ呪術にせよ、素人がおいそれと手を出していいものじゃないということをお忘れなく。

ファンタジア

虎の尾を踏む男達(1945年、日本)

監督:黒澤明
出演:大河内傳次郎、藤田進、榎本健一
英題:The Men Who Tread on the Tiger's Tail
原作:能「安宅」、歌舞伎「勧進帳」
備考:歴史劇

あらすじ…源義経一行は山伏姿に身をやつし、奥州藤原氏のもとへ行こうとする。そして安宅(あたか)の関へさしかかるのだが、それはさながら虎の尾を踏むような心地だった。

 レンタルビデオのDVDで観たのですが、DVDで視聴する際には日本人でも日本語字幕の表示は必須です。能や歌舞伎の節回しや古語が当然のように出てくるし、武蔵坊弁慶を演じる大河内傳次郎のセリフが聞き取りにくいからです。
 ちなみに私は間抜けなことに、最初は日本語字幕が付けられることを知らずに非表示で観てしまい、細かいところがわからずもどかしい思いをしました。
 その後、字幕表示のことを知り、二度目は字幕付きで観賞。これならわかる…いや、それでも歴史・宗教・古文の知識がないと厳しいでしょうなあ。

 ところで、安宅の関越えの話は、
(1)富樫は義経一行だと気付かないで通した。
(2)富樫は義経一行だと気付いていたけど通した。
 という2通りの解釈が旧来から存在します。
 それではこの映画はどちらの解釈を取っているのかというと、作品内で明言されていないものの、どうやら(2)のようです。
 富樫の使者が酒を届けに来た時、使者が強力(ごうりき)に扮した源義経に軽く会釈するシーンがありました。それを観た時に、「あ、やっぱりバレていたな。彼をただの強力だと思っているならそんなことをするはずがないのだから」と感付いた次第です。

虎の尾を踏む男達

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