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大阪倉庫の爆發(1917年、日本)

 この映画は、「フィルムは記録する」で観ました。
https://filmisadocument.jp/films/view/55

あらすじ…大阪の倉庫が爆発事故を起こした。

 映像に死体が登場するのでご注意を。
 それから、当然のことながら爆発の瞬間を映したものではなく、爆発後の状況を撮影しています。詳細は映像を観ていただきたいのですが、大爆発と呼ぶにふさわしいくらいの惨状です。

秋田縣黒川油田 大噴油實況(1914年、日本)

 この映画は、「フィルムは記録する」で観ました。
https://filmisadocument.jp/films/view/54

あらすじ…日本石油株式会社の内藤久寛社長一行が、秋田県の黒川油田を視察する。

 内藤久寛は「日本の石油王」と呼ばれた人物。
 それから、秋田県で石油が採掘できたとは寡聞にして知りませんでしたが、調べてみると黒川油田は大正2年(1913年)に開発された大油田だったとのこと。映像のタイトルに「大噴油」と書くだけのことはあるというわけですな。
 さて、映像を観ると、日本の鄙びた農村の風景の中に石油採掘施設があります。私はこの組み合わせを見慣れていないので違和感がありますが、そもそも今では日本じゃ石油を採掘していないですからね。もうこんな風景はない。

ダブルバスのロマンス(1911年、ロシア)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/ViA7_f7KAT0

監督:カイ・ハンソン
出演:ヴェラ・ゴルスカヤ、ニコライ・ヴァシリェフ
英題:Romance with a Double Bass
原作:チェーホフ
備考:コメディ

あらすじ…女性が川へ釣りに出かける。更にその近くで、ミュージシャンの男が水泳を始める。だが、二人の泥棒がミュージシャンの服と女性の服を盗み…。

 ダブルバスとはコントラバスのこと。作品中に出てくる大きな弦楽器のことです。
 それにしても真昼間からこんなことになるとは、治安が悪すぎる。

ニューヨーク市警(1910年、アメリカ)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/l2hqk71fVgY(公開停止)

原題:The Police Force of New York City
備考:ドキュメンタリー

あらすじ…ニューヨーク市警の活躍を紹介。

 一応ドキュメンタリーと銘打っていますが、川に人が落ちるところなどは明らかに演技でしょうな。そんな絶好のカメラアングルで都合よく落ちるわけがない。まあ、そんなこと言ったら、その後の警察犬を使っての泥棒逮捕も同じことが言えるんですけどね。
 それはさておき、こちらの映像の冒頭では馬車と自動車が公道を走っているのが見受けられます。この時代は馬車から自動車へ移行する過渡期だったことがわかります。

ロイドのジャズ喫茶(1919年、アメリカ)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/RkLvY0gi_Mk

監督:ハル・ローチ
出演:ハロルド・ロイド、べべ・ダニエルズ、スナブ・ポラード
原題:Young Mr. Jazz
備考:コメディ

あらすじ…男は浜辺で若い女性とデートの約束を取り付け、彼女の父親に追われながらもどうにか二人は飲食店に駆け込む。だがそこは、悪党の巣窟だった!

 序盤で主人公の男が、砂浜に潜って潜水艦のごとく女性に近づいています。砂の中を移動するって、普通はできることじゃありませんぞ。
 それから、後半にドタバタの大立ち回りが展開されます。メガネの優男にしては凄い活躍を見せてくれます。
 最後に、この作品に邦題はあるのか少々調べてみましたが、ちょっと見つからなかったので、適当に付けさせていただきました。原題に"Jazz"の語があるし、物語の舞台は多分ジャズ喫茶だろうってことで。

浦島太郎(1918年、日本)

 このアニメは、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/ADRbyCdvhgY

 こちらでも観られます。
https://youtu.be/vLYLiFYkMsw

備考:モノクロ、無声

あらすじ…浦島太郎は助けた亀に連れられて竜宮城へ行き歓待を受け、玉手箱を貰って帰る。

 字幕等の説明は一切ありませんが、日本人なら教養というか素養の一つとして浦島太郎の話くらいは頭に入っているはず。一応あらすじは書きましたが、これは念の為ということで。

 それから、作品自体は1分少々と短く、あっという間に終わってしまいました。テンポいいですな。

リア王(1910年、イタリア)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/wTPf_Iq2EYI

監督:ジェローラモ・ロ・サヴィオ
出演:エルメーテ・ノヴェッリ、フランチェスカ・ベルティーニ、オルガ・ジアンニーニ・ノヴェッリ
原題:Re Lear
英題:King Lear
原作:ウィリアム・シェイクスピア『リア王』
備考:悲劇、モノクロ彩色、無声

あらすじ…リア王は自分の王国を3人の娘に分け与えることにする。その際にリア王は娘たちに、自分をどれだけ愛しているかを言わせることに。だが、末娘のコーディリアだけはそれを言うことができずに…。

 原作は10年程前に読んだので細かいところは憶えていないのですが、ともかくも長編だったことは確かです。それをこの作品では16分にまとめていて、色々と枝葉末節を省いているのがわかります。

 さて、終盤でリア王は、小さな木の枝(あるいは草?)で死んだコーディリアの口をつつく仕草を見せます。この一事だけでもリア王がどれだけ狂っているかが表現されています。

【関連記事】
シェイクスピア(目次)

クリクリの悲劇(1913年、イタリア)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/Jk0FflQCEAo

 こちらでも観られます。
https://youtu.be/tdV2Vaesb0E

出演:レイモンド・ダンディ、ジョゼッペ・ガンバルデラ、レア・ジウンチ
原題:La tragedia di Kri Kri
備考:コメディ

あらすじ…結婚できないと絶望した男(ブルーマー)が自殺した。と思いきや、ブルーマーは実は生きていて…。

 少々調べたところ、クリクリ(Kri Kri)とはクレタヤギのことで、本作の主演俳優レイモンド・ダンディ(Raymond Dandy)が演じたキャラクターの名称らしい。

 さて、英語字幕を訳してみました。
 尚、作品中の貨幣の単位が、元の字幕ではグルデン(gulden。かつてのオランダの通貨単位)となっていますが、英語字幕ではドルとなっています。他にも微妙に異なる文意があるのかもしれませんが、私の手には負えないので、訳すのは英語字幕のみとさせていただきます。

【拙訳】
ブルーマーの悲劇
クリクリは警察署長に警告した。それは、自分が自殺しようとしているというものだった。
署長殿、ペッパー氏が娘との結婚を認めないので私は人生を終わりにします。ブルーマー
ブルーマーさん、2万ドルがなければ娘を嫁にやるわけにはいかん。食品雑貨商ジョセフ・ペッパー
ブルーマーは劇場で働くことが期待されている。ポットベリーは彼に会いに行く。
我々が戻るまでここにいてくれ。
ポットベリーは心細さを払拭しようとする。
奇妙な現象だ。
1時間ベッドで寝ていてくれ。
ブルーマーは見分けがつかない(変装をした)。
ペッパー氏は悲しい知らせを受け取る。
兄弟の仇だ! 今すぐ2万ドル寄越せ、さもなくば貴様の首を絞めるぞ!
私は今2万ドルを持っているので、娘さんをくださると信じております。

 一つ注意しておいてほしいのは、ペッパー氏は娘を2万ドルで売ろうというハナシではない、ということです。娘の結婚相手に一定以上の経済力を求めているのです。
「愛さえあればお金なんて…っ!」
 などといった青臭い考えをペッパー氏は持ち合わせていないようです。実際問題、結婚生活には金がかかるし、出産・育児にも金がかかりますからね。素寒貧では困る。

 尚、少々調べたところ邦題が見当たらなかったので、邦題は私が勝手に付けさせていただきました。

見えざる敵(1912年、アメリカ)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/z83UktMXv6Q

 こちらでも観られます。
https://youtu.be/BVSFlSxNvLg

監督:D・W・グリフィス
出演:ドロシー・ギッシュ、リリアン・ギッシュ、エルマー・ブース
原題:An Unseen Enemy
備考:クライムサスペンス

あらすじ…医師の父親が死んで悲しみに暮れる姉妹。とそこへ兄がやってきて、処分した土地の代金を金庫に入れる。家政婦がその金を狙う。

 家政婦は見た、のみならず家政婦は強盗をした、というもの。
 後半は強盗のシーンと駆け付けのシーンが交互に出てきて、物語がスリリングに展開されます。その中でも覗き穴から拳銃が突き出るシーンは観る者をギョッとさせます。

 最後に、字幕を訳してみました。本作の尺は15分程ですが、その割には字幕は少ないように感じました。でも、よくよく考えるとストーリー自体は簡単なものですからね。

【拙訳】
死んだ医者の孤児たちは、父親の空の椅子を涙目に見る。
彼女らの兄は小規模な土地の一部を処分して、銀行の営業時間になるまでお金を金庫に入れる。
助けを求めて、汚い家政婦は古い知人に知らせる。
大学を出ようとしている妹の恋人
キスはダメ
彼の事務所の遠いところで
彼らが働いている間、子供たちを黙らせる
飲酒には効果がある
妹の度胸

聖セバスティアノ(1911年、イタリア)

 この映画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/kXQA2wMiUVw

監督:エンリケ・サントス
出演:ジョゼッペ・ガンバルデラ、アムレト・ノヴェッリ、エナ・サレド
原題:San Sebastiano
備考:モノクロ、無声、宗教劇

あらすじ…キリスト教が迫害されていた頃の古代ローマ。百人隊長のセバスチャンはキリスト教徒であることがバレてしまい、皇帝は彼の捕縛を命じる。

 聖セバスティアノ(セバスティアヌス、セバスチャン)は3世紀の殉教者で、柱に縛り付けられた状態で矢を射られる姿で描かれます。
 この作品でも最後には彼の処刑シーンが登場。ただし、実際には矢を放つ直前で終わっています。当時の演出ではここまでといったところか。

 ちなみに、この聖人は同性愛のアイコンにもなっていて、三島由紀夫の小説『仮面の告白』では主人公がグイド・レーニの絵「聖セバスチャン」でシコった話が出てきたり、三島由紀夫が聖セバスチャンに扮していたりします。

【関連記事】
三島由紀夫『仮面の告白』新潮社(2)

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